どうせ今だけ【月島蛍】 (ページ24)

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月島side

そこまで考えたらなんだか胸の奥がもやもやしたので思考をシャットダウンした。

なんだよ、なんでもやもやなんか……

いつまでも起きないAを待っていると僕まで眠くなってきた。それを見兼ねた菅原さんが近付いてAを起こす。

菅原「A、A」

肩を叩かれたAは眠そうな目をぱちくりしていた。寝起きが悪いのか知らないけど、起こされたAは機嫌が悪そうに眉間にシワが寄っている。

「あ、？」

あ？ってなに。ここで寝てた君が悪いんでしょ。

田中「やーっと起きたか！」

機嫌が少し悪いAを田中さんは優しく背中を叩いた。それでまだ体育館だと気付いたAはハッとした顔をして辺りを見回す。

「え、あすいません」

僕に寄りかかっていることに気付いていないこの人に気付かせる為に声を発する。

月島「……重いんだけど」

やっと気付いたAは顔を青ざめながら慌てた様子で僕から離れた。そんな怖いなら最初から寄りかからなきゃいいのに。

菅原「Aは月島の近くが安心するんだなあ」

うんうんと自分が納得したように頷いている菅原さんを横目にAは両手をあたふたしながら弁解している。その様子が小動物みたいで面白くて不覚にも笑ってしまった。

僕の近くが安心するっていうのは多分、合宿でAと一緒に寝た時から言われてるんだろうけど。