鴇色の耳 ページ5
「え、あ、…どうだった？今回は、」
どきどきと高鳴る。
「よかった。相変わらず凄かったよい」
コーヒーに目をやって伏し目になりながら笑ったマルコ。
きゅうっと心臓の血管が嬉しさで締まる…！
「ほんと！？ああ、よかった、ほんとに嬉しい、」
ゴン！と机につっぷして、感動に浸った。
隣にマルコが座って、あたしの頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
顔を寝かしたまま、マルコを見て言った。
「青色はね、マルコの炎を思い出して描いてるんだよ」
「何回も聞いたよい」
「ふふ、毎回お礼が言いたくなるんだよね」
「…」
こく、と動いたマルコの喉仏を見ながら微笑んだ。
「マルコの力、あたし大好きだなあ」
瞬間、そこにはそっぽを向いたマルコがいて。
よく見ると耳が少しピンク色で、くすくすと笑いが漏れる。
「鬼丸さん、まさか照れ、へぶっ」
「うっせェよい」
顔をぐわしっと掴まれて口がきけなかったけど、
なんだか嬉しくてえへへと笑った。その時。
「A！Aいるか！？」
「ふえ？」
顔を掴まれたまま、返事をすると、入り口に立ってたのは１６番隊…イゾウの隊の人だった。
そう思うやいなや、あっという間にどっと人が押し寄せる。
「Aお前、見たぞ！新しいの！」
「また“一瞬で”仕上げやがって！」
「今日はアレの前で酒飲むぜ！！」
「馬鹿野郎！おれらのほうが先に予約してんだ！」
「ホントすげェよ！天才だ！」
「は、はわわ、うれしい…、」
皆に囲まれて褒めちぎられて、もう頭は嬉しさパンク寸前だ。
人の波にのまれて大きなテーブル席に座らされて。
「４番隊！朝飯はまだかァ！？特大盛りをこいつにやってくれ！」
「新作が完成したんだ！」
「お前らも絶対あとで見にいけよォ！」
「A新作できたってほんとかよ！？」
「作る前に言ってくれよ！ありったけ料理用意したのによ！」
「どうせまた寝てねェんだろ？」
「ギャハハ！ついさっきまで隊長の説教聞こえたぜ？」
目まぐるしく降りかかる言葉のどれもこれもが暖かくて。
この言葉もあるからやめられないんだよなあ、と思いながら、
目の前に出されるたくさんの料理を口に運んだ。
さっきサンドイッチを食べたのに、４番隊の作る料理はホント、世界で一番おいしい。
でもたぶん、こうやって皆で食べてるからおいしいんだろうなあ。
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Kanae(プロフ) - 珠莉さん» 書き方や自分のお気に入りの言葉回しに注目して頂けたり、共鳴してくださった時が1番嬉しいです.......ありがとうございます。またゆるゆると戻ってきましたので、是非今後もゆっくりとよろしくお願いします (2020年1月30日 3時) (
レス) id: 5290a66d68 (このIDを非表示/違反報告)
Kanae(プロフ) - ヴィジリアさん» わああ嬉しいです、此度の作品は何十年かかるんだと本気で懸念しつつマイペースに書いていきます.......（笑） (2020年1月30日 3時) (レス) id: 5290a66d68 (このIDを非表示/違反報告)
Kanae(プロフ) - いささん» お待たせしすぎてしまい、申し訳ない思いを通り過ぎもはや自分に対する呆れの感情でいっぱいです、（笑）気付いたら2年が経ってしまっていました.......。またゆっくり更新し始めると思.......願います！ (2020年1月30日 3時) (レス) id: 5290a66d68 (このIDを非表示/違反報告)
珠莉(プロフ) - Kamaeさんの言葉の持っていき方、表し方がほんとに好きで前作何周もしてます！！今作もすごく物語に引き込まれます…！！大好きです！続きいつまでも待ってます！無理せず頑張ってください！！！！ (2018年7月26日 11時) (レス) id: bd338d9f04 (このIDを非表示/違反報告)
ヴィジリア(プロフ) - 前作から引き続き読んでいる者です！今回のお話もとても面白いです。更新、待っていますね！ (2018年6月23日 18時) (レス) id: 93a99db6fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kanae | 作成日時：2017年6月25日 11時
