紅朽葉色の風 ページ29
敵の連合艦隊は、おれ達の船を円形に取り囲む、包囲網作戦で勝利を手にしようとしていた。
数十はある敵の船。そのうちの数個が前方にあった。
数では少ねェが、精鋭部隊だったんだろう。
片すのに思った以上に時間がかかっちまった。
「フォッサ隊長！！後方援護行きます！！」
「おうよ！！派手にぶっぱなして、」
おれの名前を呼ぶ声と同時に、隊員たちと後ろを振り返った。
が、おれの言葉は最後まで続くことなく、その光景に言葉を失った。
おれだけじゃねェ。周りのやつらも動きを止めて、
広がっているその情景に見入ることしかできなかった。
＿＿ボゴォオン！！！
「、ッ！」
周りを取り囲んでいた船の端から端まで、次々に爆炎が起こる。
ゴオオ、と強い熱気がこちらにまで刺さる。
炎にみるみる包み込まれていく四方八方。
「ありゃァ、」
隣のマルコがある一点を凝視しているのに気づいて、
おれも同じ方向を見るとそこには、
「“火拳”」
つぶやいたおれの言葉は熱風にかき消されて消えた。
“火拳”が敵の艦隊に身軽に乗り移っては船の急所をついて、沈めていた。
“火拳”を狙う敵たちは皆、スペード海賊団の仲間の援護によって倒されていた。
見事な連係プレーだ。
甲板に乗り込んできた敵の軍勢も自分たちの船に起こっていることを目にし、悲壮な声がそこらじゅうから上がった。
「おれたちの船が…！！」
「船首は何してやがる、！！隠し兵器があるんじゃなかったのか！？」
「だめだ止まらねェ！！！」
「こんな能力は聞いてねェぞ！！！」
みなが視線を集める先には、敵の船の中で一番でかい船を炎に包み、
船首に今、空中からスタン、！と降り立ったあのルーキーがいた。
顔をあげ、ざあっとその男の黒髪が揺れた。
敵を見下ろすその男に、おれは柄でもねェが鳥肌がたった。
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Kanae(プロフ) - 珠莉さん» 書き方や自分のお気に入りの言葉回しに注目して頂けたり、共鳴してくださった時が1番嬉しいです.......ありがとうございます。またゆるゆると戻ってきましたので、是非今後もゆっくりとよろしくお願いします (2020年1月30日 3時) (
レス) id: 5290a66d68 (このIDを非表示/違反報告)
Kanae(プロフ) - ヴィジリアさん» わああ嬉しいです、此度の作品は何十年かかるんだと本気で懸念しつつマイペースに書いていきます.......（笑） (2020年1月30日 3時) (レス) id: 5290a66d68 (このIDを非表示/違反報告)
Kanae(プロフ) - いささん» お待たせしすぎてしまい、申し訳ない思いを通り過ぎもはや自分に対する呆れの感情でいっぱいです、（笑）気付いたら2年が経ってしまっていました.......。またゆっくり更新し始めると思.......願います！ (2020年1月30日 3時) (レス) id: 5290a66d68 (このIDを非表示/違反報告)
珠莉(プロフ) - Kamaeさんの言葉の持っていき方、表し方がほんとに好きで前作何周もしてます！！今作もすごく物語に引き込まれます…！！大好きです！続きいつまでも待ってます！無理せず頑張ってください！！！！ (2018年7月26日 11時) (レス) id: bd338d9f04 (このIDを非表示/違反報告)
ヴィジリア(プロフ) - 前作から引き続き読んでいる者です！今回のお話もとても面白いです。更新、待っていますね！ (2018年6月23日 18時) (レス) id: 93a99db6fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kanae | 作成日時：2017年6月25日 11時
