紺碧色の一陣 ページ28
...
戦闘が始まってすぐに、
１番隊は１等近い敵船の向かってくる
前方に固まってた。
｢大砲に注意しろよい！｣
ぐるっと首をひねって後方に目をやった。
Aが気がかりだった。
遠くにサッチを見上げるAを見つけた。
ここでも分かる。
あいつはいま、震えてる。
あいつがあの時この船に乗った時に、
(おれはもう二度と、)
『はは、そんなに酷い顔してる？』
(あいつにあんな顔はさせねェと決めた)
｢マルコ！！｣
｢！フォッサ｣
名前が聞こえた先には同じ隊長の
フォッサがそこに立っていた。
武器を手にして、楽しそうに口角をあげる。
｢敵船がいつにも増して多いな！こりゃァ久方ぶりにやりがいがあるってもんだ！｣
｢お前いつもモビーまで巻き込んでジョズの隊の奴らに文句言われてるじゃねェかよい｣
｢ハッハッハ！船大工たちはなかなか真面目で困る！！｣
おれの顰め面の言葉も笑って流すそいつの
気性は隊の奴らにもあらわれている。
大らかで強い。自信家で、力責めだ。
目を細めて、ぐんぐんと
近づいてくる敵船たちを見た。
｢左半分を任せていいかよい？右は１番隊が確実に守るよい｣
｢任せろ！お前が言うならそうしよう！｣
モビーの頭の上での前方戦闘は、
速さが売りのおれの隊と、
力が売りのフォッサの隊さえいれば
百パーセント勝てるだろう。
モビーも反撃を始めたのか、
床のしたから、大砲の唸る声が聞こえた。
相手も間を開けずに大砲を打っ放す。
そのうちのひとつが
こちらに向かって飛んできた。
｢マルコ隊長！｣
近くにいたフォッサの隊の奴が叫ぶ。
おれはそっちに目をやって一瞥、そして
足を振り上げた。
ガッと音をたてたそれは鉄の玉。
おれの足は今や鳥の足になっていて、
大砲の熱とぶつかりあったそこから
オレンジとおれの青色の火花が散った。
｢ッ！｣
ぐっと力を込めると敵のほうに
来るよりも速ェ速度で飛んでいった鉄。
唖然とそれを見るさっきの奴に
フォッサが笑いながら言った。
｢ハハハ！！我らの１番隊隊長を心配たァ随分と肝の座った奴じゃねェか！！｣
｢え、あ...！｣
｢あいつァこの船の長男だぜ！１番強ェに決まってらァ！｣
どうやら新入りだったらしい。
口をパクパクさせるそいつの顔をみて
やれやれとため息をついた。
この船で１番強ェのはオヤジだって何回いったら分かんだこのハゲは。
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Kanae(プロフ) - 珠莉さん» 書き方や自分のお気に入りの言葉回しに注目して頂けたり、共鳴してくださった時が1番嬉しいです.......ありがとうございます。またゆるゆると戻ってきましたので、是非今後もゆっくりとよろしくお願いします (2020年1月30日 3時) (
レス) id: 5290a66d68 (このIDを非表示/違反報告)
Kanae(プロフ) - ヴィジリアさん» わああ嬉しいです、此度の作品は何十年かかるんだと本気で懸念しつつマイペースに書いていきます.......（笑） (2020年1月30日 3時) (レス) id: 5290a66d68 (このIDを非表示/違反報告)
Kanae(プロフ) - いささん» お待たせしすぎてしまい、申し訳ない思いを通り過ぎもはや自分に対する呆れの感情でいっぱいです、（笑）気付いたら2年が経ってしまっていました.......。またゆっくり更新し始めると思.......願います！ (2020年1月30日 3時) (レス) id: 5290a66d68 (このIDを非表示/違反報告)
珠莉(プロフ) - Kamaeさんの言葉の持っていき方、表し方がほんとに好きで前作何周もしてます！！今作もすごく物語に引き込まれます…！！大好きです！続きいつまでも待ってます！無理せず頑張ってください！！！！ (2018年7月26日 11時) (レス) id: bd338d9f04 (このIDを非表示/違反報告)
ヴィジリア(プロフ) - 前作から引き続き読んでいる者です！今回のお話もとても面白いです。更新、待っていますね！ (2018年6月23日 18時) (レス) id: 93a99db6fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kanae | 作成日時：2017年6月25日 11時
