想思鼠色の襲撃 ページ26
爆風で半身が燃えるように熱くなった。
やばい、と感じたその一瞬、
ぐいっと強い力で横から体が一気に
引っ張られた。顔を上げる。
そこにいたのは、
｢サッ、チ、｣
｢よかった、間に合った、怪我ねェかよ！？｣
｢う、うん、...、サッチ？｣
あたしを抱き込むようにして
爆破の衝撃から庇ってくれたのは
...サッチだった。
上から降ってくる声と表情は
心配の色で満ちてて、ついさっき
あたしは死んだかもしれないんだ、
なんて今更になって思った。
でもそんなこともつかの間、
もう一度見上げた時にはサッチは
ある方向をこっちが震える程睨みつけてた。
｢...｣
視線の先にいたのは
＿＿＿＿＿エースだった。
え、なんで。
と思う間もなくサッチが叫ぶ。
｢�牴亰��瓠�！てめェがやったのか！！｣
普段どれだけ悪いことしても
怒らないサッチが怒鳴るから、
彼の腕がどれだけあたしをいま、
優しく抱きしめてても肩がすくんだ。
エースの顔は固まってあたしを見てた。
その顔は肯定なのか否定なのか
全然わからなかったけど、あたしは
なんでかどこかで確信してた。
ぎゅうっとサッチの服をにぎって言った。
｢サッチ、ちがう、｣
そう言った途端、また後方で
爆発音がした。
その方向はスペード海賊団の船からは
砲撃できない場所から上がった。
咄嗟に首を捻る。
｢、あれだ、｣
｢...！｣
｢敵襲だァァァァアア！！！｣
見張りの台から仲間が叫んだ。
水平線の向こうには、
何隻もの海賊船が見えた。
ただの敵襲じゃない。
＿＿＿＿連合の海賊団だ。
それを船上が確認した途端、
船のあちこちから隊長たちの声があがる。
｢１番隊！！船首に集まって前方を守れよい！！｣
｢３番隊は中央に集合！！オヤジを囲んで防戦にまわれ！！｣
すぐあたしの上からも声がはりあがった。
｢４番隊は遠戦！！！大砲の用意！！！｣
ばっとサッチがあたしを見下ろして、
優しすぎるぐらいに頭を撫でた。
｢A、大丈夫だ。戦闘にお前は絶対ェ出させねェよ、ナースたちと一緒に奥に隠れてろ、いいか？できるか？｣
まるであやす様に言われる言葉に
ははは、そこまで心配しなくても、
なんて笑って返したかったけど、
あたしの体は心に反してものすごい
勢いで今や、ガタガタと震えてた。
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Kanae(プロフ) - 珠莉さん» 書き方や自分のお気に入りの言葉回しに注目して頂けたり、共鳴してくださった時が1番嬉しいです.......ありがとうございます。またゆるゆると戻ってきましたので、是非今後もゆっくりとよろしくお願いします (2020年1月30日 3時) (
レス) id: 5290a66d68 (このIDを非表示/違反報告)
Kanae(プロフ) - ヴィジリアさん» わああ嬉しいです、此度の作品は何十年かかるんだと本気で懸念しつつマイペースに書いていきます.......（笑） (2020年1月30日 3時) (レス) id: 5290a66d68 (このIDを非表示/違反報告)
Kanae(プロフ) - いささん» お待たせしすぎてしまい、申し訳ない思いを通り過ぎもはや自分に対する呆れの感情でいっぱいです、（笑）気付いたら2年が経ってしまっていました.......。またゆっくり更新し始めると思.......願います！ (2020年1月30日 3時) (レス) id: 5290a66d68 (このIDを非表示/違反報告)
珠莉(プロフ) - Kamaeさんの言葉の持っていき方、表し方がほんとに好きで前作何周もしてます！！今作もすごく物語に引き込まれます…！！大好きです！続きいつまでも待ってます！無理せず頑張ってください！！！！ (2018年7月26日 11時) (レス) id: bd338d9f04 (このIDを非表示/違反報告)
ヴィジリア(プロフ) - 前作から引き続き読んでいる者です！今回のお話もとても面白いです。更新、待っていますね！ (2018年6月23日 18時) (レス) id: 93a99db6fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kanae | 作成日時：2017年6月25日 11時
