早苗色の予感 ページ24
その日の朝の食堂はいつもと違った。
｢うえええ！？ちょちょちょルーキーくん！？それあたしの肉だけど！？｣
｢ん？いやこれおれのだぞ？｣
｢いやいや明らかにあたしの皿の上から肉が１個減ったんだけど、ていうかなにこの肉の山！？何個あんの！？｣
｢数えるからちょっと待ってろ。んーいち、に、さん、もぐもぐ、.....おれどこまで数えた？｣
｢馬鹿なの？｣
｢お前も馬鹿っぽいぞ｣
｢はあ！？〜くーっ！むかつく！あんたね！あたしまだこないだのドアの件は許してないからね！？｣
｢あァ！？まだんなこと根に持ってたのかよ！｣
｢あーあ！ルーキーくんがドアに小指挟んで痛みに悶えればいいのになあ！｣
｢知ってたか？ネチネチした女は嫌われるぜ？｣
｢うるさいなぁ！こっちは寝不足なんだからちょっとは静かにしてくんない？｣
｢はッおれの方が寝てねェ！！｣
｢はッ何時間よ？｣
｢２時間しか寝てねェよ！お前は！？｣
｢...！！！さ、３０分｣
｢嘘つけ！！昨日１日寝てたろ！！｣
｢餓鬼かよい...｣
はあ、とため息をつくマルコの視界には
テーブルで隣同士言い争う
あの、エースとAが写っていた。
｢あららら、珍しい組み合わせじゃないの｣
厨房の奥からやってきたサッチが
やけにニヤニヤとその光景を見る。
周りも二人に目を奪われていた。
｢それにあのルーキーくん、ちゃんと飯食うようになったのな｣
｢あァ、一昨日...１００回目いったぐれェに、飯やって、次の日から来たんだよい｣
｢あァ、言ってたな！なんでオヤジって呼ぶんだ、って聞かれたんだろ。昨日仕込みだったからなァ、見逃しちまったぜ｣
｢...｣
｢入ると思うか？｣
｢.....いや｣
｢...｣
｢思わないねい｣
マルコはそう言って笑った。
同感だ、とサッチも笑った。
｢大変だァ！！！｣
｢｢！｣｣
その時突如響いた叫び声に
ばっと振り返ると、そこには、
｢ね、寝てやがる、｣
誰かがぽつりと呟いたその言葉通りに
皿に顔を突っ込んで眠ってるさっきの二人。
｢あれをやるのはAだけかと思ってたよい...｣
心配の声や笑い声が響く中でマルコが言う。
｢あの二人なんかあんじゃねェ？｣
｢なんか？｣
｢二人だけに通じるなんかだよ｣
サッチがそう言って片眉をあげるのを見て
マルコはしばらく黙り込んだ。
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Kanae(プロフ) - 珠莉さん» 書き方や自分のお気に入りの言葉回しに注目して頂けたり、共鳴してくださった時が1番嬉しいです.......ありがとうございます。またゆるゆると戻ってきましたので、是非今後もゆっくりとよろしくお願いします (2020年1月30日 3時) (
レス) id: 5290a66d68 (このIDを非表示/違反報告)
Kanae(プロフ) - ヴィジリアさん» わああ嬉しいです、此度の作品は何十年かかるんだと本気で懸念しつつマイペースに書いていきます.......（笑） (2020年1月30日 3時) (レス) id: 5290a66d68 (このIDを非表示/違反報告)
Kanae(プロフ) - いささん» お待たせしすぎてしまい、申し訳ない思いを通り過ぎもはや自分に対する呆れの感情でいっぱいです、（笑）気付いたら2年が経ってしまっていました.......。またゆっくり更新し始めると思.......願います！ (2020年1月30日 3時) (レス) id: 5290a66d68 (このIDを非表示/違反報告)
珠莉(プロフ) - Kamaeさんの言葉の持っていき方、表し方がほんとに好きで前作何周もしてます！！今作もすごく物語に引き込まれます…！！大好きです！続きいつまでも待ってます！無理せず頑張ってください！！！！ (2018年7月26日 11時) (レス) id: bd338d9f04 (このIDを非表示/違反報告)
ヴィジリア(プロフ) - 前作から引き続き読んでいる者です！今回のお話もとても面白いです。更新、待っていますね！ (2018年6月23日 18時) (レス) id: 93a99db6fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kanae | 作成日時：2017年6月25日 11時
