ONEPIECE 〜きみの才能が欲しかった〜白ひげ海賊団編〜

灰青色の記憶 ページ23

...


あの時の夢を、今も見る。


｢...｣


外はもう夜だった。

あの人は、どうしたの、ってぐらいその日、
暗い顔して、目も死んでて。
それからもう４回目くらいのため息をついた。


｢どうした？｣

｢...｣


あたしの方を見たその人の目は
影ができてて、暗い中でも
それはよくよくわかった。

彼の目は、真っ黒で
あたしはいつも、見つめられるたんびに
ああ、吸い込まれそうって思って、
実際、心は、自分でも追いつけないぐらい
その人に吸い込まれて、引き寄せられてた。

だから、
今までそんな目で見られたこと、なかったから
あたしの心臓は、大きく鳴り出した。


｢なんか嫌なことあった？｣

｢...｣

｢...｣

｢これ｣

｢、｣


あの人はもう、あたしの目を見なかった。



｢話していいんですかね｣


あたしは、なんか、ぎゅうっとなって、
ああ、もしかしたら、っておもった。


でも、あたしよりも
その人の方がずうっと苦しそうだから
あたしは心全部を持ち寄って、
防波堤を作った。どんな言葉がきても


(大丈夫なように)



｢いいよ｣



あたしの返事にその人は言った。









｢興味が持てないんです｣




...


あの日の夢を今も見る。
あの人の目も、声も、ぜんぶ
すべてすべて焼き付いて。



あたしの中で、時が止まったままだ。

ずうっとずうっと、


今も、あの人の夢を見る。

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