薄縹色の謝罪 ページ20
｢あ、...A、｣
後ろの方にいた誰かが言った。
押さえつけられた頭を上げて、
前からくるそいつをそん時初めて見た。
そこには、
｢おまえ、｣
｢！？あー！？あん時の黒髪くんじゃん！！謝ってくれなかった奴！って、え？なんでイゾウが、｣
おれも向こうもお互いを覚えてて、
周りにもざわざわと困惑の空気が広がった。
｢A、�牴亰��瓩鮹里辰討鵑里�？｣
｢�牴亰��瓠��牴亰��瓩討△痢▲襦璽�ー？え、やっぱり父さん連れてきたの？え？ってことは彼が�牴亰��瓠�っていうかなんかここ焦げ臭くない？...なんか壁、っ、え、｣
イゾウの言葉に答える途中で、
そいつ、Aの動きがとまった。
それと同時に周りの空気も凍りついた。
｢あたしの絵、｣
そん時のAの顔は、
おれの中に、じりっと痛く焼き付いた。
目を見開いて、口を開けて、
黒焦げになったその壁を見て、
｢...！！！｣
｢っあ、おい！！｣
そいつのそんな姿を見て、
周りの奴ら...イゾウも力が抜けたんだろう。
おれは、必死にイゾウの下から
這って出て、Aの前に駆け寄った。
そして、
｢すまねェ...ッ！！！！！｣
｢｢｢...！？｣｣｣
ガン！！と頭を床につけて、
土下座でAに謝った。
｢おれの火で、燃えちまった...！！｣
ずき、と額の傷が開いたのがわかった。
でもんなこと、気にしてられなかった。
なんて言われるか分からねェ。
｢謝っても、許されねェと、思ってる...！！｣
こいつが今、どんな顔をしてんのかも。
ただ、
｢本当に、すまねェ...！！！｣
この船に来て初めて、おれは、
あまりの申し訳なさに
船を降りてェと思った。
｢...｣
目の前のこいつも、周りも、
水を弾いたみてェに静まり返った。
おれはずっと頭を下げたまんま、
なんなら、許されるまで、
ここで土下座しててもいいと思った。
(申し訳なくて)
しばらくの沈黙の後、
｢あ、｣
そいつ、Aが声を上げて、
肩がびくり、と震える。
(胸が張り裂けそうだ...！！)
でもその時だった。
｢あははは！！！｣
｢｢｢！？｣｣｣
｢！？｣
響き渡ったのはAの笑い声で。
思わずばっと顔を上げると、
Aは目尻の涙を拭ってた。
それでこう言った。
｢なんだ！ちゃんと謝ってくれたじゃん！｣
良い人だったんだね！と
笑い転げるそいつに、
おれも、周りも時が止まった。
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Kanae(プロフ) - 珠莉さん» 書き方や自分のお気に入りの言葉回しに注目して頂けたり、共鳴してくださった時が1番嬉しいです.......ありがとうございます。またゆるゆると戻ってきましたので、是非今後もゆっくりとよろしくお願いします (2020年1月30日 3時) (
レス) id: 5290a66d68 (このIDを非表示/違反報告)
Kanae(プロフ) - ヴィジリアさん» わああ嬉しいです、此度の作品は何十年かかるんだと本気で懸念しつつマイペースに書いていきます.......（笑） (2020年1月30日 3時) (レス) id: 5290a66d68 (このIDを非表示/違反報告)
Kanae(プロフ) - いささん» お待たせしすぎてしまい、申し訳ない思いを通り過ぎもはや自分に対する呆れの感情でいっぱいです、（笑）気付いたら2年が経ってしまっていました.......。またゆっくり更新し始めると思.......願います！ (2020年1月30日 3時) (レス) id: 5290a66d68 (このIDを非表示/違反報告)
珠莉(プロフ) - Kamaeさんの言葉の持っていき方、表し方がほんとに好きで前作何周もしてます！！今作もすごく物語に引き込まれます…！！大好きです！続きいつまでも待ってます！無理せず頑張ってください！！！！ (2018年7月26日 11時) (レス) id: bd338d9f04 (このIDを非表示/違反報告)
ヴィジリア(プロフ) - 前作から引き続き読んでいる者です！今回のお話もとても面白いです。更新、待っていますね！ (2018年6月23日 18時) (レス) id: 93a99db6fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kanae | 作成日時：2017年6月25日 11時
