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雀茶色の兄弟 ページ14

ぷんすかと廊下を歩いてたけど、
すれ違うみんなに、

「お!おはようA!」
「よく眠れたか?」
「無理すんなよ!好きなだけ寝とけ!」
「サッチ隊長が食堂で待ってるぜ!」

なんて笑顔で挨拶されたら嬉しくて、
もう上機嫌になるしかなかった。

(我ながら単純な性格してるなあ)

「みんなありがとう!行ってくる!」

さっきのサンドイッチも美味しかったけど
いまは冷たい飲みものが飲みたい。

ふわふわと耳の横でなびく、
とかしてもらった髪を感じながら
食堂に足をむけた。


でも、そのとき、ボガアン!!と
遠くの、上の甲板のほうで何かの破壊音。

ざわざわと周りの皆が騒ぎ出す。


「なんだ?敵襲か?」
「...いや、今の1回だけだったぞ?」
「あいつだよ、奇襲かけやがったんだ」
「ああ、あの昨日の奴か!」
「ハハ、諦めわりィなァ」

その言葉にあの黒髪くんか、と合点した。
また、吹き飛ばされちゃったんだな。


...


「今朝からもう3回目だよ?」

「3回目!?」

食堂に入るとすぐに声をかけてくれたのは
12番隊隊長の、ハルタだった。

歳も近いから、こうやって一緒によく
お喋りしながら、ご飯を食べる。

話題は自然と黒髪くんになっていた。


「今回のはなかなか長期戦だと思うよ」

「だよねえ。こんな朝から3回目って」


サッチがいないわけだ。
彼の海ポチャの時の救助隊として
朝から甲板に出てるんだろう。

なんて話してたらまた爆発音。

「4回目」

パンを口に入れながら
ハルタが悪戯っぽく笑って言った。

「しばらく騒がしくなるね」

あたしも笑い返した時、
ハルタがそういえば、とちょっと
真面目な顔をしてあたしに言った。


「Aって何がきっかけでこの海賊団に入ったの?」

「んん?」


ちょっとだけ突飛な質問に目を丸くする。

「聞いたことないなあと思って」

「そうだっけ?」

「あいつみたいにオヤジに挑みにきたとか?」

「ええ!?あはは!んなわけないじゃん!」

「そうなの?ねえ何で?」

ずい、と近づくハルタの顔。
んん、と少し考えて、
ハルタと同じパンを食べて笑った。





「ここが世界で一番、綺麗な景色が見れる場所っておもったからだよ」



ハルタの目は光が入ると青色に見える。
うん、やっぱり、ここは、この船は、


...あたしの一番、大好きな場所だ。


「ハルタの目、きれい」

笑ってそう言ったら、さっきから
あたしの言葉で固まってたハルタの
ほっぺがピンク色になった。

錆色の焦り→←赤梅色の部屋



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Kanae(プロフ) - 珠莉さん» 書き方や自分のお気に入りの言葉回しに注目して頂けたり、共鳴してくださった時が1番嬉しいです.......ありがとうございます。またゆるゆると戻ってきましたので、是非今後もゆっくりとよろしくお願いします (2020年1月30日 3時) (レス) id: 5290a66d68 (このIDを非表示/違反報告)
Kanae(プロフ) - ヴィジリアさん» わああ嬉しいです、此度の作品は何十年かかるんだと本気で懸念しつつマイペースに書いていきます.......(笑) (2020年1月30日 3時) (レス) id: 5290a66d68 (このIDを非表示/違反報告)
Kanae(プロフ) - いささん» お待たせしすぎてしまい、申し訳ない思いを通り過ぎもはや自分に対する呆れの感情でいっぱいです、(笑)気付いたら2年が経ってしまっていました.......。またゆっくり更新し始めると思.......願います! (2020年1月30日 3時) (レス) id: 5290a66d68 (このIDを非表示/違反報告)
珠莉(プロフ) - Kamaeさんの言葉の持っていき方、表し方がほんとに好きで前作何周もしてます!!今作もすごく物語に引き込まれます…!!大好きです!続きいつまでも待ってます!無理せず頑張ってください!!!! (2018年7月26日 11時) (レス) id: bd338d9f04 (このIDを非表示/違反報告)
ヴィジリア(プロフ) - 前作から引き続き読んでいる者です!今回のお話もとても面白いです。更新、待っていますね! (2018年6月23日 18時) (レス) id: 93a99db6fc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Kanae | 作成日時:2017年6月25日 11時

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