ONEPIECE 〜きみの才能が欲しかった〜白ひげ海賊団編〜

火色の口論 ページ12

「そんな大怪我でどこ行くの！？看護室はこっちじゃないでしょ！？」

「あァ！？んなとこ行くわけねェだろ！！」

「は！？何で！？男は怪我してないときでもナースに会いにいくもんでしょ！？」

「なんでだよ！！」

「口説きにいけよ！！！」

「意味わかんねェよ！！！」

こっちの方が意味がわからない。
ていうかこの黒髪くんは誰だ！？
顔中傷と血だらけで、もう元の顔がよくわからない。
白ひげ海賊団は新入りの為の宴を毎回開くから、覚えるはずなんだけど…！

「ていうかさっきの衝撃であたしサンドイッチで死にかけたんだからね！？」

「んなこと知るかよ！！たまたまだろ！？」

「そうだよたまたまだよ！！でも人に迷惑かけたらふつう謝るでしょ！？」

「誰がここの船の奴に謝るかよ！！」

「そりゃ、……ふえ？ここの船？え？…………別の船の人？」

「…！ッチ！」

「は！？舌打ち！？ていうかそうだよね？もしかして、……敵！？」

「…！！敵って言ったらどうすんだよ」

「え、！？…………」

一体なんだこの黒髪青年は…！！
敵だっていうけど、やっぱり他の海賊団なのかな、
大方父さんに挑みにきた、とかそんなとこなんだろうけど、

はっ、なるほど、さっきのは父さんに吹っ飛ばされたやつだな、たぶん。

んん、敵とわかったら、んん……


「……謝ってほしい」

「あ！？」

「さっきのサンドイッチ！！！」

「まだんなこと言ってんのかよ！！謝るわけねェだろ！そこどけよ！！」

「何それ餓鬼みたいな！！きみいくつ！？」

「１７！！」

「うぇ！？あたしと一緒じゃん！いぇーい！…じゃない！！謝ってよ！」

「馬鹿かよ…！！どけ！！」

「うわっ！」

肩をがっと捕まれて、強引に部屋に押し込まれた。
目の前でバタン！と閉まるドア。

「〜！？」


えええ！？なにあいつ！！超むかつく！！！


「ファッキュー！！」

そう叫んで、ドアを思いっきり開けたけど、もうどこにもあいつの姿はなかった。



後々名前を知ることになる、その男、
ポートガス・Ｄ・エースとの初対面の第一印象は、最悪だった。



この時は、まさか、エースがあたしの運命を変えるなんて、微塵も思わなかった。

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