墨色の睨み ページ11
…
「むにゃ、……っは！」
がばあっと起きると、もう朝だった。
クークーとカモメの声が窓から入ってくる。
あれ？あたし朝に寝たよね？なぜに目覚めると朝？
「くう、」
ぱしん！とおでこに平打ちを自分で下した。
こりゃまたやっちまった。徹夜明け…というか制作明けの寝過ごしスペシャル。
「あれ、」
ベッドのサイドテーブルに目をやるとそこにはなんとご丁寧にサンドイッチが！
(リーゼント兄貴…！)
心の中でいつの朝なのか定かじゃないけど、この前の朝に無理やり起こしちゃったことを謝る。
本当にこの船はいいお兄ちゃんがいっぱいだ。
メモが置いてあった。
“丸一日寝てたぜ！おはようさん！あの絵大好評だぜ！ お前のダーリンより★”
特にお世話になってるのがこの４番隊隊長さんなんだけど。
あと幸せの青い鳥隊長さんと、色気むんむん隊長さんと、ダイヤモンド隊長さんと、ダメだ、全員お世話になってたわ。
ベッドからおりて、ぐうっとのびをした。
鏡を見ると髪の毛ぼさぼさマックスだ。
うん、今日もナースさんのところに行こう。
毎日髪の毛で遊んでくれるのだ。
「だれがお前のダーリ、もぐもぐ…、うまあっ！」
相変わらずの美味にツッコミも忘れてもう味に夢中だ。
サンドイッチを頬張りながら、ドアノブを握った。
「看護室、かんごし、」
その時事件が起こった。
ゴッシャアアアンン！！！
「つ、って、え、んぐっ、！！？」
ドアをあけ放った途端、とてつもない風圧とともに、
あたしの前を何かが物凄いスピードで吹き飛んでいった。
そしてサンドイッチが喉に詰まった。
え、ちょ、まじ息できない、助け、
「げほっげほっ！！ちょ、朝から何！？」
「ガハッ！！」
「うぇ！？喧嘩！？」
「喧嘩じゃねェ！！」
「ひい！」
ガラガラ、と木の板の破片と砂埃をかぶりながらそこにいたのは、なんと人だった。
挙句の果てに血まで吐いてる。なんと、大喧嘩か！朝から！
と思ったものの、どうやら違うようだ。
「あいつ…！！こんなとこまで吹き飛ばしやがって…！！」
「え、あ、え！？ちょっと！？怪我は！？黒髪くん！？」
「んなのどうだっていい！！」
血だらけの初めてみる、黒髪くんはどんどんと乱暴にあたしの前を通り過ぎる。
「どけよ！！」
「はあ！？」
挙句の果てにドアを開いたあたしのせいで通れねェと怒る始末。
あまりの自己中っぷりに、あたしの怒りスイッチがオンになった。
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Kanae(プロフ) - 珠莉さん» 書き方や自分のお気に入りの言葉回しに注目して頂けたり、共鳴してくださった時が1番嬉しいです.......ありがとうございます。またゆるゆると戻ってきましたので、是非今後もゆっくりとよろしくお願いします (2020年1月30日 3時) (
レス) id: 5290a66d68 (このIDを非表示/違反報告)
Kanae(プロフ) - ヴィジリアさん» わああ嬉しいです、此度の作品は何十年かかるんだと本気で懸念しつつマイペースに書いていきます.......（笑） (2020年1月30日 3時) (レス) id: 5290a66d68 (このIDを非表示/違反報告)
Kanae(プロフ) - いささん» お待たせしすぎてしまい、申し訳ない思いを通り過ぎもはや自分に対する呆れの感情でいっぱいです、（笑）気付いたら2年が経ってしまっていました.......。またゆっくり更新し始めると思.......願います！ (2020年1月30日 3時) (レス) id: 5290a66d68 (このIDを非表示/違反報告)
珠莉(プロフ) - Kamaeさんの言葉の持っていき方、表し方がほんとに好きで前作何周もしてます！！今作もすごく物語に引き込まれます…！！大好きです！続きいつまでも待ってます！無理せず頑張ってください！！！！ (2018年7月26日 11時) (レス) id: bd338d9f04 (このIDを非表示/違反報告)
ヴィジリア(プロフ) - 前作から引き続き読んでいる者です！今回のお話もとても面白いです。更新、待っていますね！ (2018年6月23日 18時) (レス) id: 93a99db6fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kanae | 作成日時：2017年6月25日 11時
