唐茶色の髪 ページ2
「サッチー？」
大親友の返事がないもんだから、
食堂を横切って、カウンター席まで歩いた。
「サッチてば！」
ばんばん！と机を思いっきりたたいても返事ナッシング。
んん、おかしい。こうなったら。
「サッチー！！！おなかすいたー！！！」
厨房に向かって叫ぶと、瞬間、ぬおっと突如現れた茶色の長髪。
茶髪は目をかっと見開いて、
「おはよう……じゃねェよ！ボケがァ！！」
と元気なツッコミをくだすった。
「なんだあ、いるんじゃん！返事ぐらいしてよー、おなかすいたんだから」
「返事なんかすっか！おれの眠りを妨げやがって！今何時だと思ってんだ！」
「え？もう朝ごはんの時間でしょ？」
「てめェの朝ごはんは四時半か！？」
「………。……………That's right！！」
「嘘つけ！！考えただろ今！？」
「もーそんな元気に怒らなくてもー。ほら、周りに迷惑でしょ？」
「おれとお前しかいねェだろうがァ！！」
周りを見回すと彼の言う通り、朝日の差し込みだした無人の食堂。
視線を戻したらそこには目頭に指をあてて撃沈している隊長さんがいた。
「えへへ、でも起きてくれた。ありがとう」
「……はァ、ったくよォ。…またアレやってたのか？」
「うん。一個下の階の廊下の壁。横５メートルくらい。完成した！」
「！マジか！！そこらへんにゃァ、イゾウの隊の奴らがいたな、羨ましいこった」
「皆の感想はやく聞きたいなあ。あ！ありがとう！」
いつの間にか目の前にはあたしの大好物のサンドイッチが置いてあって。
もぐもぐとほおばりながら、サッチと話を続ける。
「今回はどのぐれェだ？」
頬杖をついて聞かれた質問に、少しだけぎくりとする。
説教の予感だ。目をそらして、天井を見ながら答えた。
「え、えっと、…２時間？」
「没収！」
「うぇ！？ちょ、ちょっと言う！言うから！」
「嘘つきの子にゃァ、おれのメシはやらねェぞ？」
皿を高々とあげたサッチが片方の眉を吊り上げる。
くっ、自分が優位になったときのこいつの癖だ。
「……、３７時間…、」
ぽつり、と言った瞬間「馬鹿野郎！」と怒鳴られて説教が幕開けた。
嘘つけばよかったかな。いや、だめだ、あたし嘘下手だった。
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Kanae(プロフ) - 珠莉さん» 書き方や自分のお気に入りの言葉回しに注目して頂けたり、共鳴してくださった時が1番嬉しいです.......ありがとうございます。またゆるゆると戻ってきましたので、是非今後もゆっくりとよろしくお願いします (2020年1月30日 3時) (
レス) id: 5290a66d68 (このIDを非表示/違反報告)
Kanae(プロフ) - ヴィジリアさん» わああ嬉しいです、此度の作品は何十年かかるんだと本気で懸念しつつマイペースに書いていきます.......（笑） (2020年1月30日 3時) (レス) id: 5290a66d68 (このIDを非表示/違反報告)
Kanae(プロフ) - いささん» お待たせしすぎてしまい、申し訳ない思いを通り過ぎもはや自分に対する呆れの感情でいっぱいです、（笑）気付いたら2年が経ってしまっていました.......。またゆっくり更新し始めると思.......願います！ (2020年1月30日 3時) (レス) id: 5290a66d68 (このIDを非表示/違反報告)
珠莉(プロフ) - Kamaeさんの言葉の持っていき方、表し方がほんとに好きで前作何周もしてます！！今作もすごく物語に引き込まれます…！！大好きです！続きいつまでも待ってます！無理せず頑張ってください！！！！ (2018年7月26日 11時) (レス) id: bd338d9f04 (このIDを非表示/違反報告)
ヴィジリア(プロフ) - 前作から引き続き読んでいる者です！今回のお話もとても面白いです。更新、待っていますね！ (2018年6月23日 18時) (レス) id: 93a99db6fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kanae | 作成日時：2017年6月25日 11時
