ずっと【短編集】

すきなもの __ urt ページ1

わたしには好きなものがある。それはキラキラしているもの。
ビーズのようなキラキラも好きだし、ストーンのようなキラキラも好き。
だからなのかな、キラキラしているうらたくんが好きなのは、

「ねえね、坂田くん」

「どしたん？Aちゃん」

「うらたくんってさ、キラキラしているよね」

「んん？うらさんがキラキラしている？Aちゃんあほなんちゃうん？」

坂田くんはわたしをバかにしたように笑いながら言ってくる
むかつくなぁ、少なくとも坂田くんよりかはあほじゃない、絶対

「なんでわかんないの？？あんなに眩しいくらいキラキラしてんじゃん！！！」

「わかるわけないやろ！！ぜーんぜん眩しくないわ！！！太陽のほうがよっぽど眩しいわ！！」

「太陽が眩しいのは当たり前でしょ！！！やっぱ坂田くんってあほ！！！」

「うらさんがキラキラしているって言ってるAちゃんには言われたくないわ！！！」

ぜぇはぁぜぇはぁ……疲れた、なにこの下らない言い争い、
坂田くんも息切れしてるし心なしか暑そうにも見える。もういいやうらたくんがキラキラしてるしてないの討論は終わり。これで解決わたし頭いい

「なあ、思ったんやけどさ、」

「なあに」

「Aちゃんが言ってたうらさんがキラキラしてるって、好きだからキラキラしてるんやないの？」

「うらたくんのことがすき？そうだようらたくんはキラキラしてるから好きだよ」

「ちゃうちゃう、そうやなくて。キラキラしてるから好き、なんやなくて好きだからキラキラしてるやないの？」

え、わたしがうらたくんを好き？なに言っちゃってんの坂田くん。
たしかにうらたくんのことは好きだけどでもそれはキラキラしているからであって、
あれでも待てよ、坂田くんが言うことも一理あるかもしれない
昔少女漫画で見たことがある。自分が恋心を抱く相手はキラキラと輝いているって、

"そうかもしれない"

そう言いかけた瞬間教室のドアがガラッと開いた

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