春夏秋冬【ポリス川実弥】

◇春＿６ ページ6

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「玄弥ァ、今日はすき焼きすんぞォ。」

「マジで？....やった!!!!!!」



家族が多い不死川家では、下の子達にお肉を分け与えたりもする訳で....



「お前の為にいい肉沢山買ってきてやったかンなァ。Aに礼言っとけよォ」

「ありがとう！Aさん!!!!」



どう致しましてー！と言う私に
キラキラした目を向けてくる玄弥君が
可愛くて仕方ない。


お泊まりを控えさせてしまった事へのお詫びの印に、お肉は私が奮発をして大量に買ってきたのだ。




ザクザクと野菜を切る実弥さんの隣で
私もわりしたを作ったりして...



少し広くなったキッチンとはいえ
一緒に料理をする実弥さんとの近い距離に、まだまだ私のドキドキする心臓はむず痒くもあり新鮮だ。



料理が仕上がるまで、実弥さんのトレーニング機器を色々と使って時間を潰している玄弥君。



身長も実弥さんより数センチ高いらしく
彼もまた、筋肉質でもあった。



『凄いねぇ、玄弥君そのベンチプレス上げられるんだ！』



ふんふん、と
感心する様に目線を飛ばしていれば...
隣から殺気を帯びた視線を感じる。



『....ｽﾐﾏｾﾝﾃﾞｼﾀ。』

「....チッ、」



どうにもいつもの癖で
筋肉センサーが働いてしまう私...



『私の筋肉番付は実弥さんが不動の１位ですから.........あ、実弥さん。』

「.....あ？何だァ？」




冷蔵庫を開けて実弥さんを呼び出し...



顔が扉の影になった瞬間に
実弥さんの頬にキスをした。


「......チッ、」


何度目かの舌打ちを頂いてから実弥さんは先に玄弥君にお風呂を勧めていた。



弟君が居るのに我ながら年甲斐もなく大胆な事をしてしまった。



少しばかり反省をしていれば



今度は実弥さんから
貪(むさぼ)る様なキスをされた。





「...玄弥が帰ったら覚悟しとけよォ。」

『.........』




ぐわ、っと赤面してしまう私に
「何想像してんだよ、もうこれ以上はキスしてやんねェぞ」なんて言葉を掛けられてしまえば、折角私が先手を打って不意打ち出来たのに...


結局、私は
実弥さんには敵わない様だ。





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お風呂から上がった玄弥君と
３人で鍋を囲み、嬉しそうにお肉を頬張る玄弥君を見て私まで幸せになる。



「Aさん、ありがとう！めちゃめちゃ旨いわ！最っ高!!!!!」

「いつもは少ししか肉食えねェからなァ
＿＿おら、もっと食ェ。」



そんな兄弟のやり取りを見ながら
私達の日常は...


まだまだ始まったばかりだ。




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