春夏秋冬【ポリス川実弥】

◆秋＿27 ページ28

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「クククッ…」

『…笑い過ぎですよ…』



結果はゆわずもがな、実弥さんの笑いと私の発言でお分かりだろう。



「ぶはっ！わりィ、お前…ガキにディスられてっからァ…！」

『大人なのにメリーゴーランドなんて乗るなよなァ…なんて言われちゃいました…」



クッ…！あの時チョキさえ出していれば…
ディスられるのは実弥さんだったのに…っ!!!!!


大体大人でもメリーゴーランドくらい乗るよ…！


それにしても…あの双子…
特に男の子のまさやくん？だったか…偉く実弥さんに似ていたな…。



ま、まさか…実弥さんの隠し子…？
本人も知らない間にパパになってた…とか…



「ククッ…Aは絶対最初はグーだもんなァ」

『…え？』



私が思考をぶっ飛ばしていたら、
楽しそうにネタバラシを始めた実弥さん。

どうやら私は「ジャンケン」の声掛けで始めても、
「最初はグー」と同じように始めにグーを出す癖があるらしい。


それで私が最初はグー、と言った時、被せてきたのか…！



『な、なんですか！それ！ズルいじゃないですか！警察官の癖に！！』

「デケェー声で警官言うなァ…」



納得がいかない私だったが、
よく見てンだろォ、とそんな風に言われると弱い。
ちょっと…いや、結構嬉しい。



『…プリ撮ってくれたら許します。』



ヘイヘイ、と言う実弥さんの背中を押し、ゲームセンターの中へと足を運んだ。








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『実弥さん！あれ！』

「あーこれかァ…」



私達の視線の先には、
去年危うく実弥さんが壊しかけたパンチングマシーン。


そこには使用不可の張り紙が貼ってあった。


実弥さんが壊しかけたマシーンを完全に壊した人物。
私達はそれを知っていた。


一年前、私達が遊園地に行く事を知り、自分も行きたいと言っていた人物。


後日、ご主人に連れて来てもらった際、全力で挑戦し再起不能にした人物…そう、蜜璃さんだ。



「Aがペラペラ喋っからァ伊黒の奴、半分払えって煩かったんだぞォ」

『だって、本当にカッコ良くて…！』



あれは惚れ直しちゃいますね！と何も考えずに口走ると、実弥さんはニヤリと笑った。



「……ヘェ…ンじゃーAﾁｬﾝはコレやる前には俺に落ちてたつー事かァ…」

『………さ、プリ撮りに行きますよー』



この後何を言っても墓穴を掘る。
目線と話題を逸らし、さぁ、こっちですよ、と私は再び実弥さんの背中を押して、プリクラ機のビニールカーテンを分けた。




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