春夏秋冬【ポリス川実弥】

◆夏＿15 ページ16

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うだるような夏の暑さと共に
私は実家に帰省した。


実弥さんとの進行具合はどうなの？と
父親の白い目を横に母親からは質問攻めをされたりして、少ないお盆のお休みを墓参り等をして過ごした。



実弥さんがお休みになる前の前日に帰宅して、買い物や片付けをしたりしていれば実弥さんが帰宅した。


『おかえりなさい！』

「おー、ただいまァ。」


たった数日なのに
何だかくすぐったい新鮮な気持ちになったのは少し離れていたせいか。


去年の今頃は見えないストーカーに怯えて、逃げる様に帰省していたなぁ....





改めて実弥さんの存在が
私の、安心材料になる。





「何ニヤけてンだァ？」

『...ふふ、おかえりなさい！』





ギュっと正面から抱きつき
その逞しい胸元に頬擦りをした。


久々に吸い込む実弥さんの匂いに
大好きだ、と何度も再確認させられる。


「可愛い事してンなよォ。」


そう言われ、見上げてみれば
柔らかなキスをされた。


「汗臭ェだろォ？...風呂入るから、夜は俺にも堪能させろよォ？」



クク、っと笑う実弥さんに



『...私ももっと堪能、したい。』

「お前.....言うようになったねェ、
＿＿Aﾁｬﾝよォ。覚悟しろよ？」



クイっと顎をすくわれ
再度、キスをされた。


頭をワシャワシャされる事も久し振りで
また私達の日常が、戻ってきた。





＊





実弥さんがご実家から帰って来た日。

私は仕事で、帰宅してみれば
チラシをピラリと見せられた。



『....花火大会!!!!!!』



え、でもそんな大規模な花火大会なら実弥さんは出勤なんじゃないか...？


そんな事を思っていれば


「そこのは俺の管轄外なァ。」


だから行けるが行くかァ？と言う実弥さんに、私は何度も大きく頷いた。



「俺の地元の花火大会だかンなァ、そんな何十分も花火上がンねェぞ？」

『観覧車２周分でも大満足した私なんですよ？花火を見られるだけで大満足です！』



実弥さんと一緒なら、と伝えた私に実弥さんは柔らかな笑みを向けてくれていた。


「あー、お前さァ...浴衣着ねェかァ？」


そんな事を言い出す実弥さんに
観覧車花火の日の夜の事を思い出す。







「まァ、綺麗だよな。ガキの頃はよく行ったわ、花火大会も」


「うんうん、私もです! 浴衣とか着て」


「浴衣かァ、お前似合いそうだな案外」









あの頃の私に言ってあげたい。




実弥さんは...

貴方の彼氏になるんだよ！と。





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