【前編】上司と部下の関係。 【不死川実弥】

２７ ページ27

.




あれから伊黒さんの事を実弥さんから聞き出したり蜜璃の情報を教えたりして...


私が帰宅しようとすれば「送ってく」と
実弥さんは言い出した。



『近いしいいですよ。人通りもあるし』

「何かあったら胸くそ悪ぃだろぉが！」




今日の最後は
優男が出てきた....




片道１０分も掛からない夜の帰り道を
２人で歩きながら
普通に手を繋いでくる実弥さんは.....
本当に女慣れしているんだなぁ。




そう思う。




そんな優しさに触れるたびに

.....私は胸が痛くなる。





同じ部署から離れて精鋭部隊からの

実弥さん情報も入らなくなって....





その間も実弥さんは女の人と....
相も変わらず遊んでいるんだろう。





だいたいキスをされていた場所は
コピー室なんだけど、部署が変わって
あのコピー室には行かなくなった。





だから実弥さんとの接点も...
たまにフロアで実弥さんの姿を見掛けるくらいで、会社で話す事は無くなっていた。





そう思っていたのに
今日会ってしまった......


会社の外で。
それも実弥さんの家に...
自分の足で。




いや....
拒否する事も出来たんだろうけど
私は.....会いに来てしまった。





彼が遊び人である以上...

私の想いは....報われない。





「今度はお前の家で飲むってのもいいな
.......わざわざ送らなくて済む。」


『今度....ですか.....』







(天使)
ダメよっ！！この人は遊び人なのよ！？
そんな人を家に入れちゃダメ！！！



(悪魔)
いいじゃないっ！！！
好きな人と一緒に居れるんだから！！！
細かい事なんて気にしちゃダメっ！！！







私の中の
天使と悪魔が....バトルをしている。







「...まぁお前が俺ん家に泊まればいいだけの話か！今度から俺ん家に来る時は着替え持って来いよォ。」




あぁ....
違う悪魔が勝手に結論付けてるよ.....




『そんなの...無理です。』




私の中の天使が勝った！
ようやく私のマンションに着き
実弥さんに、そう伝えた。




「お前は....可愛げがねぇのな。」




実弥さんは

ふっ、と笑い



長めのキスをして.....
私の頭を撫でて帰って行った。




.

２８→←２６

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す