言わせたい【不死川実弥＋】

２＿あさひ ページ6

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それから、胡蝶は包帯と薬を伊黒に押し付け、甘露寺の緊急事態だった事を思い出した伊黒は目にも止まらぬ速さで帰っていった。


そうして胡蝶に告げられた。
恐らく俺がかけられた血鬼術は…



「思った事を素直に口にしてしまう、ですね！」



この程度の血鬼術で良かったですね、とパチパチと拍手する胡蝶。


その顔は若干癪に障るが、まぁいい。
隠し事は出来ねェが大した問題はねェか。


礼を言って診察室から出ようとすると、またもバタバタとうるせェ足音。


この足音は伊黒じゃねぇなァ…









＿＿＿ガラ




『実弥！さっき伊黒さんから実弥が血鬼術にかかって蜜璃を襲ったって聞いたんだけど…！？』

「ンでそんな話になってんだァ！俺が甘露寺襲う訳ねぇーだろォ！俺はAだけだァ！」

『………え？あ、うん、ありが、とう…？』

「〜〜〜っ！」



しまったァ…
コイツとだけは居ちゃいけねェ…
ぜってェーいらねぇ事口走っちまう…


言うなよ、と胡蝶に目配せする為に振り向けば
　


「不死川さんがかかった血鬼術は思った事を素直に言葉にしてしまうだけなので、甘露寺さんは襲っていないと思いますよ、」



ニッコーと効果音をつけて話す胡蝶に今度こそ俺は青筋を立てた。



「テメェー全部喋りやがってェ！Aにバレたらめんどくせぇ事になんだろうがァ！」




俺が言い終わると、ゆらりと空気が揺れた。


背後からゾクリとする感覚。
恐る恐る振り返れば



『本当なんだ…！素直になっちゃうって!!!』



目を輝かせながら俺を見るA。
ヤメロ！その顔！「んなキラキラした目で見んじゃねェ！可愛すぎんだろうがァ…接吻すんぞォ！ゴラァ！」

『え、キラキラ…？かわい…？接…』



何言ってんだァ！俺はァァァァァ!!!!!!



頬を両手で覆い初めて言われた！と頬を染めるA。


糞がァ！かわい過ぎ…っ！ヤベェー！また口走る…！



俺は慌てて口を抑えてAを躱し、
全速力で蝶屋敷を後にした。




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