５ ページ44
.
「A、すまない」
『…どうして、今そんな事言うの…？せめて、朝までは謝らないで…お願い、今だけは私だけの小芭内でいて…？』
「……………朝が過ぎてもAの俺でいてはいけないだろうか？」
悪いがもう手放せん、と小芭内は私の額に口づけた。
一人で盛り上がり、息巻いていた私は理解がついていかず、
状況を把握しようとパチパチと瞬きしていると、小芭内はポツリポツリと話し出した。
「あの頃、真っ直ぐに夢を追うAが俺には眩しすぎた。誰より、何より大切な女性だ。俺と過ごす事で君の未来を壊してしまうのではないかと、懸念し、手を離した。」
『……じゃー私達ずっと両思いだったの？』
「そういう事だ。」
『馬鹿みたい…』
「あぁ、馬鹿だな、俺は。でも、Aが望んでくれるなら今度こそ君を必ず幸せにする。」
こんな俺でいいと言ってくれるなら、
そう言った小芭内に返事をするようにキスをする。
『いいの？婚約者がいるんじゃないの？』
「何の…あぁ、見合いの事か？残念ながら縁がなかった。」
『…………何それ。めちゃくちゃ嫉妬した。』
「俺もだ。Aを一目見たいと同窓会に参加したが塵滓野郎と話しているのを見て、どう処分するかどんな目にあわせてやろうかと考えていた。」
『え、』
「随分とまぁ楽しそうに話していたな。」
『そう見えた？小芭内探しに行きたくて早く会話切り上げたかったのに？』
目を見開く小芭内にキスをした後、
二人で笑うその顔はきっとあの頃と同じで、
漸く私達の時間が動き出した。
もう離れないようにしっかりと手を握る。
朝が過ぎても決して離れないように。
いつか同窓会で、
小芭内と結婚報告が出来たらいいな、
気が早い願いに口元に弧を描き
心地よい体温に包まれながらゆっくりと瞳を閉じた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 270人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
京華(プロフ) - お酒さん» ちょっと！お酒さんは私にレスくれたのよ！(この２人油断するとすぐ抜け駆けするんです)天元様だったんですね！２人におねだりしてて良かったぁ♪あさひﾁｬﾝ何か引退宣言みたいな事書いてましたが圧掛けときますね！(言ったもん勝ち)レス沢山でごめんなさい..感謝ァ！ (2021年7月27日 10時) (
レス) id: 483ff1bb3b (このIDを非表示/違反報告)
あさひゆうひ(プロフ) - お酒さん» ひよちゃんんん！お酒さんには私がコメ返するっていったのに！！！笑 宇髄さんいいですよね！ひよちゃんの宇髄さんに私も悶ておりました！沢山コメントして下さりありがとうございました！嬉しかったです！！！是非また読みに来ていただけたら嬉しいですっ！！！！！ (2021年7月27日 10時) (レス) id: 2af9c629e7 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - お酒さん» お酒さま、レスさせてすみません。笑 天元さまでしたか…!! 少しでもムフフ、となって頂けていれば嬉しいです! また読みにきてやって下さいね! (2021年7月27日 10時) (レス) id: a2712468ed (このIDを非表示/違反報告)
お酒 - 京華さん» 小声の部分…聞いてはいけない事を聞いたような…罪悪感です(笑)ちなみに推しは、宇髄さんです ^^ でも、不死川さんも好きです！ (2021年7月27日 0時) (レス) id: 48240712ac (このIDを非表示/違反報告)
京華(プロフ) - 環さん» ３人も居ると色々と調整が大変でね...もう少し待っててね！最後まで読んでくれてありがとう♪...感謝ァ！ (2021年7月26日 19時) (レス) id: 483ff1bb3b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あさひゆうひ・京華・ひよ
x他2人 | 作者ホームページ：ありません
作成日時：2021年7月14日 9時
