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___バシャーン!
浴室内へと入り身体を洗い終えたチビ弥君は勢いよく浴槽内へと飛び込んだ。
『こらっ!ゆっくり入りなさい!』
水飛沫と湯気で立ち込めてしまった方向を見やりながら私も身体を洗っていれば
「お前ェ何してんだァァァァァァ!」
聞き慣れた怒号が聞こえ湯船の方を振り返ってみれば、湯けむりから姿を現したのは実弥さんでお互い目を見開いてその状況に慌てふためく。
「なんで一緒に風呂入ってんだァ!?」
『実弥さん元に戻ったんですねっ!?』
「こっち向くな馬鹿野郎ォォォォ!」
「俺が出るからAは動くな!」
再び前を向いた私の側から実弥さんは慌ただしく湯船から上がり、ドタバタと激しく音を立てながら脱衣所からも慌てて出ていったようだった。
*
湯浴みを済ませた私は飲み物を用意して実弥さんの居る居間へと向かった。
事の状況を簡潔に教えてあげると盛大に舌打ちをしていたのは言うまでもない。
「あのクソ鬼ィ....」
こめかみをピクピクさせながら実弥さんは怒りに震えてはいたが胡蝶様と私しかチビ弥君の事は知らないと伝えれば少しその怒りは収まった様で「この事は他言すんなよ?忘れろォ」と、ボソリと呟いていた。
『あの....チビ弥君だった時の記憶は?』
「....ねェな。あの鬼を斬ってから風呂までの記憶は飛んでらァ。」
『そ、そうですか。良かった。』
「....良かった。って何だァ?」
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言い渋る私を逃してくれる訳もなく
私はチビ弥君に胸を揉まれた事を大きくなった実弥さんに打ち明ける事になる。
「......な"っ!!」
そう一声発した実弥さんが稽古場の方へと無言で向かって行くのを私は見送った。
記憶が無くて良かった....
あんな無邪気な笑顔で実弥さんが人の胸を撫で回すなんて、記憶が残っていたら私はもう実弥さんの顔をまともに見られないだろう。
でも....
無邪気でヤンチャなチビ弥君にもう会えないと思うと寂しい気持ちにもなった事は私の胸の内に留めておこうと思う。
程なくして稽古場の方が騒がしくなりこっそり覗きに近付いてみれば、稽古場を破壊する勢いで呼吸を連発している実弥さんが居た。
暫くそのまま放置していれば稽古場が爆発でもしたんじゃないかと思う程の衝撃音と鳥達がバサバサと羽ばたいて行く音と共に実弥さんの怒号が近所に木霊した。
クソがァァァァァァァァァァ!
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京華(プロフ) - お酒さん» ちょっと!お酒さんは私にレスくれたのよ!(この2人油断するとすぐ抜け駆けするんです)天元様だったんですね!2人におねだりしてて良かったぁ♪あさひチャン何か引退宣言みたいな事書いてましたが圧掛けときますね!(言ったもん勝ち)レス沢山でごめんなさい..感謝ァ! (2021年7月27日 10時) (レス) id: 483ff1bb3b (このIDを非表示/違反報告)
あさひゆうひ(プロフ) - お酒さん» ひよちゃんんん!お酒さんには私がコメ返するっていったのに!!!笑 宇髄さんいいですよね!ひよちゃんの宇髄さんに私も悶ておりました!沢山コメントして下さりありがとうございました!嬉しかったです!!!是非また読みに来ていただけたら嬉しいですっ!!!!! (2021年7月27日 10時) (レス) id: 2af9c629e7 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - お酒さん» お酒さま、レスさせてすみません。笑 天元さまでしたか…!! 少しでもムフフ、となって頂けていれば嬉しいです! また読みにきてやって下さいね! (2021年7月27日 10時) (レス) id: a2712468ed (このIDを非表示/違反報告)
お酒 - 京華さん» 小声の部分…聞いてはいけない事を聞いたような…罪悪感です(笑)ちなみに推しは、宇髄さんです ^^ でも、不死川さんも好きです! (2021年7月27日 0時) (レス) id: 48240712ac (このIDを非表示/違反報告)
京華(プロフ) - 環さん» 3人も居ると色々と調整が大変でね...もう少し待っててね!最後まで読んでくれてありがとう♪...感謝ァ! (2021年7月26日 19時) (レス) id: 483ff1bb3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あさひゆうひ・京華・ひよ x他2人 | 作者ホームページ:ありません
作成日時:2021年7月14日 9時