言わせたい【不死川実弥＋】

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「…しゃんしゃいの、むりょくしゃよ…」


「諦めやがれェ」


逃げ出してたったの十数秒後、Aは難なく不死川に捕獲された。

足首を掴まれ、ぷらーんと逆さに吊るされている。


そのまま不死川は、空いている方の左手で、器用にAの服を脱がせていった。


「ぎゃあぁぁぁぁぁ!! ちはんのしゅけべー!」


「っるっせェ騒ぐなァ! オレに幼女趣味なんざ
　ねェわ!」


「しょういうもんだいじゃない!!」


やはり3歳児は無力だ、とAは無駄な抵抗を続けてはみたものの。

あっと言う間に、生まれたままの姿になっていた。


「チ、手間かけさせやがってェ…」


それでも多少の気は遣っているのだろうか、背中に物騒な文字の入った短羽織を、クルクルとAに巻きつける。

そのまま小脇に抱え、不死川は風呂場を目指して歩きだした。


「う、ぐすっ…およめにいけない……」


「泣くなメンドくせェ…ま、その、なんだァ…
　いけなかったら……考えて、やっから」


「ちはん、いまなんて、」


「チッ…忘れろォ…」


「…わたち、きゅうこんにも、りしょうがありま
　す」


「…ま、気が向いたら今度聞いてやるわァ」


「…はっ!! も、もちかちてわたしも、ちはんの
　はだか、みれちゃうんじゃ」


「アホかァ。隠すに決まってンだろ」


「……」


「おい黙ンな、何を想像してやがる」


「いだだだ! わたち、いましゃんしゃい!」


いつものように鷲掴みにされた頭を、Aが涙目でさすっていた、その時。


ぼふん!と煙が上がったと思えば、不死川は自身の左腕にかかっていた重みが、突然大きく増したことに驚く。


「…っ! あ、ぶねっ……?!」


慌てて自身の身体に引き寄せたその腕には、いつも通りの姿の継子が、収まっていて。


「…ん? は?………えぇぇぇぇぇぇぇっ?!」


さすがにその変化に気づいたらしいAは、一瞬でその腕から逃れ、ペタンと床にしゃがみ込んだ。

両手で不死川の短羽織を押さえ、必死にあちこちを隠そうとはしているらしいが。


「…まァ、短ェよな。そりゃ」
　

「うわぁぁぁぁん!! もうあっち行って下さい
　師範!!」


形の良い脚は丸見えだし、何なら胸の膨らみの端までも。


「あーその、何だァ…無事に戻って、良かったじ
　ゃねェか」


「そんな感想は今要りません!!」


早く行って!!と顔を真っ赤に染めて叫ぶAに苦笑してから、不死川はわざとゆっくりと、踵を返したのだった。



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