ににとねこ (ページ8)

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「A、この人悪い人じゃないから大丈夫だよ」

「……良い人？」

「うん、良い人だよ。Aがいっつもヌナにするみたいにしてあげたら？」

そう諭せば、まだ軽快した面持ちではあるがAはヒョンに近づいて……抱きついて首にスリスリと頭を寄せる。

えっ……ちょ、そこまでやれって言ったっけ。

いっつも猫ってこんな大胆なことしてたわけ？

とんでもない密着度にチャニョルヒョンも顔を真っ赤にして「えっ…ちょ……あっ」と最後に至っては喘ぎだした。

「A、もう離れようか」

無理やりヒョンとAを剥がすと、やっぱりまた俺を見てキョトンした顔で見つめてくる。

こんな無邪気な顔してお前ってやつは……小悪魔め。

「ににの言った通り。あの人、良い人のにおいがする」

と笑うA。
……においって……そんな動物みたいなことを言うんだ。
人間になっても、まだ猫だった時の感覚が残ってるのかな。

「ににも、良い人のにおいだよ」

そう言って俺の首をスンスンと嗅いでくるAに、こしょばくなる。

「ありがと、けどこれはもう俺以外にしないでね」

「ににがしてあげてって言ったのに？」

「うん、でももうダメ」

Aを異性としてみる輩が現れたら大変だから。もう既にチャニョルヒョンなんか……危ないな、この人。
Aは猫だってさっき説明したばっかじゃん。