ににとねこ (ページ40)

今日:7 hit、昨日:22 hit、合計:382,631 hit

40 ページ40

「なるほどー。だから、Aは自分のこと猫って言ったんだね？」

「うん。本当に猫だったでしょ？」

「本当に猫だったね～」

「うん、猫！あ、そうだ。さっき言ってたイーシンが妖精見えるって本当？」

「いやー、それはウソだけど～」

「ウソなのー？ウソはダメなのに？」

「だってAが猫ってウソついてるなら、僕も一つ、ウソついていいかなって思ったんだよ～」

「そうなの？じゃあ仕方ないね」

あはは、と笑う２人の世界観は完全に俺らが入れるものじゃなくて、やっぱり不思議な性格同士波長があってるみたいだ。

一回たりとも会話に入る隙がない。

「まぁ……イーシンヒョンが分かってくれて助かる。あと、ヒョンおかえり。中国はどうだった？」

「ただいま。んー、仕事ついでに家族にも久々に会えて良かったよ～」

「会えたの？良かったね」

「うん、良かったよ」

そう言って笑うイーシンヒョンの笑顔に無理はなくて、俺もホッと安心する。

「そうだ。A、今日イーシンと一緒にご飯作ったの！イーシンはオンマみたいに料理上手なんだぁ」

「料理？作れたの？」

このホワンホワンしたAがキッチンに立ったら、うっかり鍋が爆発したりしそうなのに。

「うん。A天才だったよ～。包丁で切る時も流石猫なだけあって、ねこの手で上手に切ってたし～」

「そうなの？凄いじゃんA！何作ったの？」

「えっとねー。チヂミとビビンバ！」

「すげー！」

「えへへ。凄いのはイーシンなんだよ」

チャニョルヒョンは、Aがそう言うと「イーシンヒョンありがとう！」と崇めるように手を合わせて頭を下げてる。

多分Aの手作り料理が食べれるのが嬉しいっぽい。俺には言葉にしなくてもヒョンの考えてることなんてお見通しだ。

ていうか、今更だけど料理する時間があったってことはヒョンはだいぶ前に宿舎に着いてるじゃん。マネヒョン5時に空港って言ってたけど、あれは多分間違った情報だな。

そう思ったら全力でバンから走ってきた意味って……なかったな。