ににとねこ (ページ38)

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ご飯を食べ終えると、いつも通りAは風呂に入って、俺のジャージを着せてベッドに先に寝かせた。

相変わらず、作り物みたいに綺麗な寝顔にチャニョルヒョン、ギョンスヒョン、俺の３人は毎日Aの寝顔をAの顔に穴が開くほど見入る。

「マジで天使……マイエンジェール、エンドガール、マイサンシャーイ」

「いきなりGee歌い出すのやめてヒョン」

「ほんと、A起きるから」

「ごめん、ついソシが俺に降りてきた」

Geeの冒頭部分をいきなり歌い出すヒョンは、よく分からない言い訳をしてる。Aが起きなかったから良いけど。

また改めて３人でAを見ていると(決して変質者ではない)Aが「んー……」とねごとを言い始めた。

「ににぃ……」

……寝言で俺の名前を呼ぶAに思わず顔がにやける。そして、２人のヒョンが俺をガン見してくる。

「……A、チャニョルのことも呼んでー。お願い～(小声)」

「いや、もしかしたら"にに"の後には"うっとおしい"とかの言葉が続いてたのかもしれないし……(小声)」

「ヒョン、いくら悔しいからってその推察はないでしょ(小声)」

Aが起きたら困るから小声で話しながらヒョンに(よりによってギョンスヒョン)にあらぬことを言われたけど、いまの俺は最高に余裕のある男だから何を言われても全然平気。

ていうか、マジで……今のはヤバイだろ。
寝言で自分の名前呼ばれるのって、テレビでよく見たシチュエーションだけど……。

実際に言われるとだいぶクるんもんなんだな……。

「はい、もう俺も寝るから解散。おやすみ、ヒョン」

「独り占め反対！あ、もう布団に入った。Aが見えない！(小声)」

「今日はもう諦めて寝よう、おやすみチャニョル、ジョンイン(小声)」

「うっ……おやすみ(小声)」

なんとか撤退させて、俺も寝ることにしたけどさっきのAが頭から離れなくてこの日は久々にしばらく寝付くことができなかった。