ににとねこ (ページ36)

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「わぁ、服がいっぱい！これ着たらAもヌナみたいになれるかなぁ」

部屋いっぱいの洋服に目を輝かせるA。
別にヌナみたいにならなくて良いんだけどな。なんて考えていると、チャニョルヒョンが「ヌナって誰？」聞いてくるので「俺んちのヌナのこと」と返した。

にしても……部屋に溢れかえった服、どれを見ても本当にセンスが良い。あのヌナに任せて良かった。

ヒールやサンダルも5足ほどあって、本当にこっちの事情を察しているかと思うほどのチョイスのよさ。

「これ、かわいいー！」

「良い！俺らと遊ぶ時それ着てよ！」

「……俺は、こっちの服のほうが良い」

と、ワンピースを両手で持ってAと合わして見ていると、突如チャニョルヒョンが慌てだしてAの上に布団をかぶせた。

「もう飯できた……ジョンイナ、それ……」

ご飯ができて呼びに来てくれたジュンミョニヒョンは俺がワンピースを両手で掲げる様子を見て固まる。

待て、これは……もしかしなくても誤解されてる？

「ヒョン、これは……」

「良い、分かってる。俺はジョンイナの……そういう趣向もちゃんと理解するから……うん、気にすんな」

「え、だから……」

弁明しようとしたら、現実逃避するようにドアを閉めて出て行ってしまった。

いや、気にすんなって俺に言うけど、1番気にしてんのヒョンだから。
この後ヒョンが俺の趣味が女装であることで、脳内会議を開いて無駄に頭を悩ませることが、手に取るように分かって申し訳ない。