ににとねこ (ページ29)

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チャニョルヒョンの話に付き合っていると時間はあっという間に過ぎて髪を濡らしてAが風呂から出てきた。

Aは黒い髪がまだ濡れていて、服は少し大きめのTシャツに短パンをはいていて……。

おい、これを用意した神様ってやつは変態か。
これが、年頃の女の子に用意する服か。

見ろ、チャニョルヒョンなんか顔真っ赤にしてる。

「……A、後で俺のジャージにはき替えて」

「なんで？」

「あと、髪の毛も乾かすからこっち来て」

「ほんとー？ににが乾かしてくれるの？」

「うん、だからこっち来て」

「ふふふ、にに今日は優しい」

「俺はいつも優しい」

鈍感、と言うよりも男の心情ってもんを何も知らないAは、無防備すぎてギョンスヒョン達にも見せられない。

リビングでドライヤーを洗面台から持ってきて、Aの髪を乾かす。

「んー、にに上手ねー」

「A、明日からは自分で髪の毛乾かしてから出てこいよ」

「にに、もうしてくれないの？」

「しない。ていうか、髪の毛濡れた状態でもう出てくるのは禁止」

「ん……ごめんなさい」

「……別に怒ってねーから」

ただ、Aのこんな姿を見せたくないだけ。

ドライヤーで乾かし終わった髪の毛をくしゃと撫でるように触ると、それだけでAはさっきまでシュンとしていたのに、いきなり笑顔に変わる。

本当に頭を撫でられるのが好きなんだな。

顔が「もっと」を要求しているのが言葉に出されなくても分かる。