ににとねこ (ページ1)

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「あ、またジョンインが寝てるよ！ほら、着いたぞー？ににたーん？」

「……ヒョン」

ににたんはやめろって。
ヒョンだと分かっていてもつい睨んでしまう。

おかげで目は覚めたけど。

長い収録に、過酷なスケジュール、十分に睡眠が取れてない為、かなりの寝不足。

そのせいで眠い俺は、寝ぼけながらエレベーターに乗って宿舎につくと、そのまま自室に入ってベッドに直帰した。

ぐにっ

「にゃっ」

いつものふかふかの布団……ではなく

今の、ぐにっにゃっってなんだ？

眠たい目をうっすら開けると、目の前には

「……ににだぁ～」

そう言って俺を抱きしめる女の子が……

いや、Aがいた。

「……えっ？」

明らかに人間なのに、俺には目の前の女の子が実家で飼っていた猫のAにしか見えない。

チラッと首の辺りを見ると……やっぱりAだ。これはヌナがAにつけた首輪。

……じゃあ、目の前にいるAはやっぱり？

いや、けど現実的に考えてありえないだろ。

だったらこの女の子はサセン？

……いや、どう見てもAだろ。

それだけは、さっきから謎の確信がある。

けど、なんで人間になった？

なんで俺のところに？

疑問はひとつ出てくると三つ四つと膨らんでいく。