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18.泡沫 ページ19

深い水の底に堕ちるように感覚がぼんやりとして

溶けて無くなるようなそんな感覚さえ覚えた


私は…泡のように…水とひとつに交わるような…

「A…」

水のくぐもった音の中で微かに声がした

何か小さな翡翠色の生き物が目の前を横切った気がした

私は目を閉じた





窓から日の光が差し込み私は目が覚めた

身体は酷く重い

目線を動かし、周りを確認すると、
アルフレッドがいつになく正装の姿に着替え
ベットに座っていた

「…アル…フレッド…」

私は弱々しい声しか出せなかった
そんな声でもアルフレッドは気づき、こちらを向く

「やあ、A…起こしちゃったかい?」
アルフレッドはベットに横たわる私の頭を優しく撫でる

「…どこへ…行くの?」
「ナイトクラブだよ、君の代わりに、俺が今回の真相を調べる」
アルフレッドがベットから離れようとしたとき、
咄嗟に私は彼の腕を掴んだ

「…A?」
「………」

行かないで

そう告げようと口を動かすが声が出なかった

「…」
しかし、アルフレッドは何かを察したのか
私の耳元に顔を近づけた

「…大丈夫、ヒーローに任せるんだぞ」
そう呟くと、私と唇を重ね

長い口づけをした

…だめ、アルフレッド…行かないで

私の意識は水の底の泡

遠のいていく…










ベットの上でAはすやすやと眠っていた

その様子をアルフレッドがしばらく見つめていると部屋に
ノックの音が響く

「…やっぱ、ここにいたんだ…兄弟」
部屋に入ってきたのはマシューだった

「ねぇ、こんなこと、もし何日も続けたらAちゃんが」
「分かってる」
アルフレッドはベットから立ち上がると革靴を履く

「だから、この俺が犯人をこの手で裁くんだぞ」


「兄弟」

アルフレッドが部屋を出ようとドアノブに手をかけたとき
マシューは声をかけた
その声を聴き、マシューの方を向くと
心配そうな顔でアルフレッドを見つめた

「…気をつけて」

ただ一言、彼はそう告げた





アルフレッドがナイトクラブの裏口からドアを開けようと
ドアノブに手を当てると勝手に扉が開く

「あれ?アルフレッド、今日は出勤日?」
扉を開けたのはクラブスタッフのベス・リーカス

「いや、ちょっと忘れ物しちゃってさ!」

アルフレッドはナイトクラブの内に入っていく




外は曇り、ロスの風が冷たいコンクリートを撫でる




「ああ、そうだ」

アルフレッドは口を開く


「ついでに観なきゃいけないものがあってさ」



青い目が瞳を捕らえた

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設定タグ:アルフレッド・F・ジョーンズ , ヘタリア , APH   
作品ジャンル:アニメ
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ほのか - すごく、面白いです! 続きが楽しみです! (2019年3月16日 8時) (レス) id: a60bbace95 (このIDを非表示/違反報告)
ルシファー(プロフ) - こちらの不備でフラグが立ったままになっていました、コメントしていただきありがとうございます (2018年10月3日 16時) (レス) id: af91d7f1d2 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年10月3日 7時) (レス) id: cafe052365 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ルシファー | 作成日時:2018年10月3日 3時

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