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デビューした俺たちは案の定というか、大した人気を持ってスタートできたわけではなかった。
一部ではすぐ消えるなどと言われ、悔しさもある中でカメラが回る。
よくある舞台裏ビデオだ。何が面白いんだかわからないが、ペンにはこれがウケる。
特にメンバー同士の絡み。
狙ってやることもあるくらい、これはペンが熱を上げてくれるガソリンになる。
俺にはジミニヒョンが自ら構ってきてくれるから、ニコニコしときゃ問題ない。
問題ないはずだったんだけど。
「……A、ジョングギ以外とも絡もう。ユンギヒョンみたいなキャラじゃないわけだし、そもそもグギとも手を握るくらいしかしていないし」
「……すみません」
ナムジュニヒョンと二人で話しているのを見かけた。気まずそうに頭を下げるA。その頭を撫でようとすると、ナムジュニヒョンの手を避けるようにAは後ずさる。
あ、と声を上げたAに、少し苦しそうに笑うナムジュニヒョンの顔を見ていると、ぎゅっと胸が締め付けられる。
Aも今、こんな想いなんだろう。
「お前が悪いんじゃない、謝るな。頭も下げないこと、いいか？」
「……はい」
「ただな、アイドルとして売り出していく以上このままでは難しい。Aはビジュアルライン扱いだから、余計に事務所やメディアが求めてくることもあるだろう」
Aはこくこく頷く。
本当、こういう擬音が似合うやつだ。
「だから、そうだな、自分からは触れるか？」
「……」ゆっくり、そーっと手を伸ばし、Aはヒョンの手を握る。「僕からなら」
「大分ゆっくりだな……握手会、いつかはやるだろう。それまでに元に戻さないと」
「すみません、迷惑ばっかり」
「謝るな」
「ヒョンのことは大好きなんです。怖くないし、一緒にいたいし、触りたいのに……」
「……わかってる」
必死に弁解するAを一言で落ち着かせ、微笑ませるヒョンはやっぱりその種の才能において事欠かない。
ナムジュニヒョンの手とAの手が、指と指が絡む。
少し驚いた様子を見せつつも握り返したAを見てから、俺は立ち去った。
触れるのが怖い。触れられるのが怖い。
俺以外は。
個人的な感情だけなら、そのままでいいじゃん、って思ってしまうけどいいわけないよな。
俺たちは仕事してんだから。
複雑な感情に苛まれて唇を噛む。
ヒョンみたいに大人になりたい、ただそう思って。
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透子(プロフ) - 虞犯少年さん» えっ……ほ、本当ですか…！ちょっとここ最近の嫌なこと全部吹き飛ぶくらい嬉しいです。。いつまでも待ってます。はい！必ず送ります！！待ってます！！！ (2021年2月11日 21時) (
レス) id: c70bc84ad6 (このIDを非表示/違反報告)
虞犯少年(プロフ) - 透子さん» ありがとうございます。コメント頂けたことが嬉しいので、また更新していこうと思います。もしよろしければまた感想下さい。本当に嬉しいです。 (2021年2月11日 19時) (レス) id: 3f60c9b07f (このIDを非表示/違反報告)
透子(プロフ) - うわ…久々に素晴らしい作品に出会ってしまいました。もう更新されるご予定はないのでしょうか。とても楽しみです…… (2021年2月1日 21時) (レス) id: c70bc84ad6 (このIDを非表示/違反報告)
虞犯少年(プロフ) - 春さん» ありがとうございます。前のものよりストーリー性は薄いですが……気軽に楽しんでいただければと思います。 (2019年2月16日 17時) (レス) id: 3f60c9b07f (このIDを非表示/違反報告)
春(プロフ) - 更新お疲れ様でした。またありがとうございます！こちらの作品とても好きなので更新楽しみにしております！ (2019年2月16日 10時) (レス) id: b6f354ce6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虞犯少年 | 作成日時：2018年12月31日 1時
