空より遠く、海より近い【松岡凛】 (ページ10)

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10(過去回) ページ10

『凛！』

赤い髪がなびき、凛が振り返る。

『今日SCないでしょ？ちょっと話して帰ろうよ』

少しの沈黙のあと、ぽつりと口を開いた

凛「七瀬は？」

凛「.......付き合ってるんじゃねえの」

『..........ふ、』

一瞬凛が怪訝そうな顔をする

『あはははははは！』

おいおい、と凛がこちらに近づいてくる

『ちがうよ！私たち双子！』

凛「は、はぁあああ？！」

名字だって同じじゃん！と思わず笑ってしまう

凛「もっと早く言えよ！勘違いすんじゃねえか！」

顔を真っ赤にして反論するも、私の笑いは収まらない

『凛がっ、、私と遥が付き合ってるって！あははは！』

凛「じゃあ何で手なんて繋いで帰ってたんだよー！」

『え？だから兄妹だからでしょ？』

何言ってんの？とでも言いたげな顔でまた一言付け加える

『凛だって兄妹で一緒にお風呂入ったりとか一緒に寝たりとかしないの？』

カァァっと次は耳まで真っ赤にして「し、しないし！」と目を泳がせる

こう見えて意外とウブだったりするんだな、と小学生ながらに思った。

そんな記憶が、高校生になった今でもまだ残っている