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二十九話 ページ31

『あー美味しかった』
「良かったね。じゃあ仕事の話なんだけど」
『食器洗剤につけたりメモ取ったりしてくるから待って』

待ってましたと言わんばかりに声をあげるイルミを制して食器の片付けを始める。
放置したままだと汚れが落ちにくくなるからこれは譲れない。

何か言いたげなイルミを横目に片付けを済ませ、店の方からメモを取ってくる。

『はい、いいよ』
「次の仕事はこの男。期限は今日の午後3時」
『早くない?』
「今夜殺せって依頼だからね。名前はフィゼス=バーグ、所在は不明。こいつの居場所と、できれば予定。調べて」

イルミに言いつけられた調査内容を書き出しながら渡された写真を見る。
調査対象を見てすぐ、リィサはげっと声を漏らした。

『こいつ外国人じゃん……』

写真の男の見目はどこからどう見てもパドキア出身じゃない。
背景も建築様式がパドキアのそれとは若干異なっている。念無しで調査するとリィサではどう頑張っても期限に間に合わない。
これを達成すると念がバレる恐れがある。断るか、否か。

「料金上乗せで400万ね」
『……さすがにちょっとキツいよ。期限早いし』
「でも、お前ならできるだろ」

断言するイルミをじっと見る。いつも通り、表情からは何も読み取れない。
念を使っていることはもう知られている可能性が高そうだ。

でも、さすがに発の内容までは推測できていないはずだ。それに、ここまで言われてできないなんてリィサのプライドが許さない。

『わかった、やってやろうじゃない。報告はメールでいい?』
「うん、居所わかったらすぐ。予定は調査できてても現地で聞く」

あ、これ、カモフラージュ頑張らないといけないやつだ。リィサはなんとなく察した。

『わかった、それでいい』
「じゃあそういうことで。頑張ってね」

リィサが頷くと、イルミはさっとベランダまで歩いて家を出ていった。

『窓ぐらい閉めていってよ……』

開けっ放しの窓を閉めてため息をつく。
そうして暫くぼうっとしてから、リィサは意を決した。

『よし、やるか』

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設定タグ:ハンターハンター , イルミ , H×H   
作品ジャンル:恋愛
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こめこめコメダ(プロフ) - 続き楽しみですっ……めっちゃ面白いです、ありがとうございます!!!!! (2023年3月19日 16時) (レス) id: b8ad08ce24 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - クロさんの作品大好きです!更新ありがとうございます! (2023年3月16日 22時) (レス) id: 1984ade8f5 (このIDを非表示/違反報告)
腐腐腐 - めっさ好きです!この作品に運命(?)を感じました笑続き楽しみに待ってます! (2022年5月22日 22時) (レス) @page12 id: c7cac8184e (このIDを非表示/違反報告)
吸血鬼少女 - すっごい面白い!イルミ大好きなので、読んでて凄い楽しいです。更新いつまでも待ってます☆ (2021年5月2日 16時) (レス) id: 97d3b05e39 (このIDを非表示/違反報告)
フェル - めちゃくちゃ面白かったです、続き楽しみにしてます! (2021年3月20日 17時) (レス) id: d6649fea10 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クロ | 作成日時:2021年2月20日 1時

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