二十五話 ページ27
イルミが次にやってきたのは翌日のことだった。
『はい、調査報告書』
「どうも」
事前に纏めた報告書をぱぱっと渡し、それを眺めるイルミを見つめる。
報告書に不備は無さそうか、情報の抜けはないか。
あってもすぐに対応できるようにとこうして待機しているが、今までで特に不備を指摘されたことはない。
そのためリィサは気楽な心持ちでイルミを見つめていた。
──こうしてちゃんと見ると、イルミって整ってるんだな。
伏し目がちに書類を見つめているから、切れ長な目なのがよくわかる。
肌は白くシミ一つないし、シャープな顎のラインはとても綺麗だ。体格はめちゃくちゃ良いし色気が半端ない。
伝説の暗殺一家の長男だからとその印象に引っ張られてイルミのことを見ていたが、こうしてまっさらな心境で見つめると彼が整った男性なんだということを初めて理解したような気持ちになった。
「ねえ」
『何か抜けあった？』
「や、情報は完璧だけど」
イルミの声に意識を切り替え、リィサは推敲前のメモ書きを引き寄せる。
そこに差し込まれた言葉に動きを止めて、リィサはイルミを見上げた。
『どうしたの？』
「あの男の依頼、受けるの？」
『ああ…』
イルミの言葉にリィサは首を振った。
『受けないよ。薬を盛られるとこだったし、昨日も話聞かないしで迷惑だったんだよね』
薬に関しては、リィサがプライベートで念を使うことでイルミの言っていたことが真実であることを確認した。
昨日の件に関しては言わずもがな。名前呼びを許可してないのに呼んだ挙げ句手を握るとか、怖い。
愛人暗殺に間接的に関わった負い目もない訳ではないが、だからといってあんな事をされて仕事を受けようとするほどリィサはお人好しではなかった。
そもそもアレクシスは客ではあるが、正規のルートからやってきた客じゃない。
別の客の紹介で客になっただけで、リィサの店の合言葉を知るための手順は踏んでいないのだ。
「ふうん……お前、前に俺が言ったこと信じるんだ」
『え？』
「薬のこと」
何を気にしているんだろうと思って、そういえばイルミからするとリィサは彼の主観情報を鵜呑みにしてるように見えるんだなと気が付いた。
それを訂正する気はリィサにはない。念の関与なしに裏取りしたと主張するのは難しいからだ。
なのでリィサは、リィサがイルミを信じた事についての話にだけ言及した。
『イルミが嘘をつくメリットなくない？』
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こめこめコメダ(プロフ) - 続き楽しみですっ……めっちゃ面白いです、ありがとうございます！！！！！ (2023年3月19日 16時) (
レス) id: b8ad08ce24 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - クロさんの作品大好きです！更新ありがとうございます！ (2023年3月16日 22時) (レス) id: 1984ade8f5 (このIDを非表示/違反報告)
腐腐腐 - めっさ好きです！この作品に運命(？)を感じました笑続き楽しみに待ってます！ (2022年5月22日 22時) (レス) @page12 id: c7cac8184e (このIDを非表示/違反報告)
吸血鬼少女 - すっごい面白い！イルミ大好きなので、読んでて凄い楽しいです。更新いつまでも待ってます☆ (2021年5月2日 16時) (レス) id: 97d3b05e39 (このIDを非表示/違反報告)
フェル - めちゃくちゃ面白かったです、続き楽しみにしてます！ (2021年3月20日 17時) (レス) id: d6649fea10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロ | 作成日時：2021年2月20日 1時
