十四話 ページ16
今日は久々の休みだ。情報屋の仕事も、何でも屋の仕事も入っていない。
『久しぶりに店の掃除するかー』
最近は情報屋の仕事と何でも屋の仕事の両立に奔走していて、家事雑事が疎かになっている。
これを機会に溜まったゴミや洗い物なんかを片付けるのもいいだろう。
リィサは店のドアにかけた札を「閉店中」が表になるように直し、掃除に取りかかった。
＊＊＊
『これでよし』
手についた埃を水で落とし、一息つく。
ちょっと棚から埃を落として掃き掃除をしただけだが、随分と綺麗になった。
やっぱり小まめな掃除は大事だと再認して、リィサは自分の部屋へと繋がる扉を潜った。
このあとは少し早いが、昼食にしよう。最近は使いきれないぐらいに収入が増えたし、ちょっとお高いお店に外食に行くのもアリかもしれない。
そう思っていると、不意にチリンと店のドアが開いた音がした。
──下げ札は確かに閉店中にしたはずなのに。
眉を寄せてリィサは息を潜めた。
気配はない。探っても感じ取れない。相手は絶状態のようだった。
もしやイルミかと思い至り、店側に続く扉を開ける。
そこにいたのは、リィサが想像していた通りイルミだった。
彼は客用の椅子にゆったりと腰かけている。閉店中だとかそういったことは彼には関係がないらしい。
『いらっしゃい。本日はどういったご用件で？』
予約も仕事もなく合言葉もない以上は、リィサはオフの顔だ。丁寧に接する必要はない。
イルミも口調については気にしていない様子でリィサを見据えた。
「お前って休みの日何してるの」
『はい？』
思わず聞き返すと、イルミは「お前って休みの日何してるの」と一言一句違わず同じ言葉を発した。
わけがわからない。依頼をしに来たんじゃないのか。
リィサが固まったまま混乱していると、イルミがふと眉を寄せた。
「勘違いしないでほしいんだけど、俺がお前のプライベートに興味を持ってるわけじゃないよ」
『まぁ……そこはわかるけど』
「わかるんだ」
『貴方が私に興味を持つような人じゃないことはわかってるつもりだから』
ふぅん、とイルミがどこか感心したような響きで相づちを打った。
今の回答のどこに感心する要素があったんだろう。いや、そのことよりも。
『……じゃあなんで私の休みの行動なんか聞きに来たんです？』
どういった意図で聞きたいのか、そこを明らかにしたい。
そう思って問いかけるとイルミはまた微かに眉を寄せた。その様子はどこか拗ねているように見えた。
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こめこめコメダ(プロフ) - 続き楽しみですっ……めっちゃ面白いです、ありがとうございます！！！！！ (2023年3月19日 16時) (
レス) id: b8ad08ce24 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - クロさんの作品大好きです！更新ありがとうございます！ (2023年3月16日 22時) (レス) id: 1984ade8f5 (このIDを非表示/違反報告)
腐腐腐 - めっさ好きです！この作品に運命(？)を感じました笑続き楽しみに待ってます！ (2022年5月22日 22時) (レス) @page12 id: c7cac8184e (このIDを非表示/違反報告)
吸血鬼少女 - すっごい面白い！イルミ大好きなので、読んでて凄い楽しいです。更新いつまでも待ってます☆ (2021年5月2日 16時) (レス) id: 97d3b05e39 (このIDを非表示/違反報告)
フェル - めちゃくちゃ面白かったです、続き楽しみにしてます！ (2021年3月20日 17時) (レス) id: d6649fea10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロ | 作成日時：2021年2月20日 1時
