十三話 ページ15
例の愛人の予定については、念で判明した。
そのためリィサは最低限のカモフラージュとして、愛人宅に足を運ぶなど調査をするふりだけしてイルミに調査完了の連絡を入れたのだった。
例によって連絡を入れた翌日、イルミは店にやってきた。
「お待ちしてました。調査の詳細はいつも通り、こちらに纏めてあります」
「どうも」
判明している情報を整理し、読みやすいように書き出した書類を差し出す。
社長の予定などもあわせて書き出しているから、彼の仕事の役には立つだろう。
書類を読み終えたイルミが顔をあげる。
次の依頼が来るかと身構えたリィサは、次に放たれた言葉に目を丸くした。
「お前ってパーティーとか行くんだね」
その言葉が意味することは一つしかない。
『……もしや、あの場にいらっしゃいましたか』
「いたよ」
事も無げに肯定するイルミに、またもリィサは目を丸くした。
招待客の一覧には目を通したが、そこにゾルディックの名はなかった。つまるところ、イルミはどこかに潜入していたということになるのだろう。
『こういった仕事をしていると、主催を行う方々と知り合う機会もありますので。今回は依頼のこともありましたし』
「ふうん」
イルミが興味なさげに相づちをうつ。
一体何の意図があってこんな質問されたんだろう。リィサが困惑していると、突然イルミが「でも良かったね」と言った。
『何がでしょうか？』
「俺がいたから、お前は薬入りのシャンパンを飲まずに済んだ」
その返答に鳥肌が立つ。全身が逆立った感覚すら覚えた。
「お前に配るシャンパンにだけ薬を仕込むよう、アレクシス=バチルダが指示を出していてね」
放置しても良かったんだけど、俺や家の情報が抜かれると余計な仕事が増えるからこっちで処理しておいた。
そう続けられて、リィサは気が遠くなるような思いだった。
『助けていただき、ありがとうございました』
「うん」
アレクシスは一体何の目的でリィサに薬を盛るよう指示したのだろうか。知りたいけれど、それを知るために絶状態になるわけにはいかない。
イルミが次の依頼の話をするのに応対しながら、リィサは内心でため息をついたのだった。
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こめこめコメダ(プロフ) - 続き楽しみですっ……めっちゃ面白いです、ありがとうございます！！！！！ (2023年3月19日 16時) (
レス) id: b8ad08ce24 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - クロさんの作品大好きです！更新ありがとうございます！ (2023年3月16日 22時) (レス) id: 1984ade8f5 (このIDを非表示/違反報告)
腐腐腐 - めっさ好きです！この作品に運命(？)を感じました笑続き楽しみに待ってます！ (2022年5月22日 22時) (レス) @page12 id: c7cac8184e (このIDを非表示/違反報告)
吸血鬼少女 - すっごい面白い！イルミ大好きなので、読んでて凄い楽しいです。更新いつまでも待ってます☆ (2021年5月2日 16時) (レス) id: 97d3b05e39 (このIDを非表示/違反報告)
フェル - めちゃくちゃ面白かったです、続き楽しみにしてます！ (2021年3月20日 17時) (レス) id: d6649fea10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロ | 作成日時：2021年2月20日 1時
