１６６、嬉しい合流 ページ7
あのあと部屋に戻ってみたら、マチとパクノダが家具を組み立ててくれていた。
ほぼ完成しかけのベッドを見て慌てて手伝おうとしたら、これくらいはさせてほしいと言われてしまった。むしろ色々と世話になりっぱなしなのにと反論したけど聞き入れてもらえず。
完成したベッドで眠りにつき、目が覚めた現在に至る……わけなのだけど。
「おはよう、ソフィア……久しぶりだね◇」
ベッドサイドに座り、此方を見下ろす男が一人。以前見たときと全く変わらない笑みを浮かべ、私の頭に手をかけながらゆるりと撫でる。
ヒソカ。天空闘技場にいるはずの人。何度瞬きしても、目の前の人の姿はそのままで。
「おはよう、ヒソカ。いつの間にここに？」
「ついさっきね。いやぁ、まさか本当にこんなところにいるとは思わなかったよ◆」
「本当に……って」
「ちょっと引っ掛かったことがあったから来てみたんだケド、当たりだったみたいだ。キミに会えて嬉しいよ◇」
「私も会えて嬉しいわ、ヒソカ」
向けられた笑顔に笑顔で返せば、彼は絶の状態だったオーラを妖しく揺らめかせながら纏の状態にした。
「ああ、それにしても妬けちゃうな。ボクの知らないところで秘密を明かしてるなんて……◆」
ヒソカが屈んで私に顔を近付け、体重をかけられたベッドがきしりと音を立てる。
熱を浮かべた金色が笑むのと同時に、ものすごい勢いで扉が開いて。ヒソカが飛び退いたかと思えば視界を糸と黒が閃いた。
「……邪魔は良くないと思うな◆」
「おやごめんよ、侵入者かと思ってね。ソフィア、何もされてないかい？」
「ええ、問題ないわ。それよりその……」
一瞬何を聞くべきか、迷う。ヒソカがここにいる理由も聞きたいし、マチがいる理由は彼のオーラを察知したからだろうから聞くことでもないけれど。今目の前に立ちはだかっている黒はフェイタンの後ろ姿のもので……彼は私を嫌っていたはずなのだけど、どうしてここに。
とりあえず前々からの疑問を先に質問することにして、体を起こす。
「ヒソカと貴方たちは、どういう関係なの？」
「こいつは旅団員。アタシも質問したいんだけど、アンタとあいつはどういう関係？」
「想い人◇」
「ヒソカの言葉は置いといて、念の師匠で友人かしらね？」
「恋人とかじゃ？」
「ないわね。もっと素敵な人がいると思うし」
「……◆」
トランプを持ち身構えたままのヒソカが、心外だと言いたげに私を見た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 332人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユウ - 一気読みさせてもらいました。応援してます。ヒソカ落ち希望です！ (9月18日 1時) (
レス) id: 9180eb740d (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 更新待ってます！！続きがとても気になります！！イルミ落ちがいいです！ (2022年6月6日 0時) (レス) @page32 id: b76b8db090 (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - 作品読ませていただきました！！とても面白くてこのシリーズ大好きです！もし、この作品がまだ更新されるのであれば、気長に待ってます！頑張ってください！！ (2021年1月30日 18時) (レス) id: f151b0ddd6 (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - 初めて作品を読ませていただきました！私はこのシリーズがとても大好きになりました！もし、作者様がこの作品を覚えているのであれば更新されるのを楽しみに待っています！ (2021年1月1日 21時) (レス) id: 5e84d40654 (このIDを非表示/違反報告)
maki(プロフ) - このシリーズ大好きです！更新待ってます！ (2020年3月24日 18時) (レス) id: 94544c805e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：クロ | 作成日時：2019年9月4日 4時
