１７２、戸惑う距離 ページ13
【ソフィア side】
クロロの部屋にある本は様々なジャンルのものが多く、中々に面白い本ばかりだ。図鑑、哲学書、ハンター文字に訳された神話や聖書まであるのにはとても驚いた。
ネテロの所に居たときはどちらかと言えば児童書や小説や辞典や歴史書など、字や社会についてを学べるものの方が多かった。
今にして思えば、あれは言葉を理解し覚えやすくするために置かれていたような気がする。最初から専門書を置かれていても理解はできなかっただろうし。
……ちなみに、何故か私の隣にはフェイタンが座っている。しかも、読んでいる本をずっとじっと覗き込んでくる。
(これは、読みたいってことなのかしら)
ほんの僅かにかけられている体重が気になって、とてもじゃないが集中することができない。
聞いてみようと思い顔を向ければ、ぱちりと視線が合った。
「その……読む？」
「……ワタシ、それ読んだことあるよ」
意を決して顔を上げ問いかけてみれば、フェイタンはそれだけ言うとふいっとそっぽを向いてしまった。触れていた肩も離れ、体ごと遠ざかってソファーに沈む。
(読んだことがあるからいいってこと……なのよね？)
聞き直すことも躊躇われ、再度視線を本に落とす。
今読んでいるものも面白いものだから、読むのを中断されないのは有り難いけれど、それよりも今がどういった状況なのかが気になる。
読書を始める前にも自由にしていていいと伝えたのに、一向に離れる気配もない。
もしかすると、見張りのつもりなのだろうか。
(きっとそうよね？)
というか、そうでなければ昼までそばにいる必要がない気がする。
お世話になったり助けたりと協力関係のようなものであるとはいえ自分は部外者。自由にさせるわけにはいかないはずだ。
(むしろそれ以外にこの状況の説明がつかないわ……)
今度はすっごく視線を感じる。敵意とかは込められていないから警戒はしないけれど、戸惑いは積み重なるばかりだ。
あまり気にしていると気配で知られてしまいそうだからなんとか目の前の文に集中してみる。
「……るか」
フェイタンの声に、やっと集中しようとしていた意識が再び逸れた。何事かと目を向けると、不可解そうに此方を見る瞳と視線が合う。
「何故ワタシを助けるか」
昨夜と同じような質問。けれど気配は昨夜と違い、はりつめたものではない。
何故助けるか、かぁ。
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ユウ - 一気読みさせてもらいました。応援してます。ヒソカ落ち希望です！ (9月18日 1時) (
レス) id: 9180eb740d (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 更新待ってます！！続きがとても気になります！！イルミ落ちがいいです！ (2022年6月6日 0時) (レス) @page32 id: b76b8db090 (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - 作品読ませていただきました！！とても面白くてこのシリーズ大好きです！もし、この作品がまだ更新されるのであれば、気長に待ってます！頑張ってください！！ (2021年1月30日 18時) (レス) id: f151b0ddd6 (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - 初めて作品を読ませていただきました！私はこのシリーズがとても大好きになりました！もし、作者様がこの作品を覚えているのであれば更新されるのを楽しみに待っています！ (2021年1月1日 21時) (レス) id: 5e84d40654 (このIDを非表示/違反報告)
maki(プロフ) - このシリーズ大好きです！更新待ってます！ (2020年3月24日 18時) (レス) id: 94544c805e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロ | 作成日時：2019年9月4日 4時
