170、奇術師は獣を独占したい ページ11
【ヒソカ side】
(徐念、ねぇ◆)
マチに聞かされたのはフェイタンが敵の念に操られたことと、それを今ソフィアの能力で封じているという端的な説明だったけど、ボクにとってはそれで十分だ。
支配下、命令という単語から察するに、ソフィアは今彼と彼にかけられた念を操っている。それも、念能力ではなくて彼女自身の能力で。
念を念で上書きすることは不可能だ。ならば、念能力よりも遥かに強力なものが関与していると考えていい。
そしてソフィアは、強力な能力を持ちうる可能性があった。だから彼女がそうしていると知っても、あまり驚くべきものではなかったのだけど。
(考えうる限り、彼女は初対面の相手に能力を明かすような子じゃないんだよね◆)
そのわりにはお人好しでもあるから、能力を知られたのはフェイタンの件がキッカケと見て間違いないだろう。
他の能力も知られてると見ていい。特に、彼女の自己治癒能力は確実に知られている。
(本当に妬けちゃうなぁ。ボクがずっと独り占めしたかったのに◇)
能力も、彼女自身も。できうる限り周囲から隠しておきたかった。
無論そうするためには彼女の側を離れないのが最善ではあったのだが、行き先がゾルディックなら大丈夫だろうと思っていた。
なのに大丈夫どころか、厄介な集団に目をつけられる始末。イルミには後で文句を言わなければならない。
「うわっヒソカじゃん、なんで居んの?」
「あれ、アンタが呼んだんじゃないんだ」
角で遭遇したシャルナークの悲鳴に思考を止めて、深くした笑みを向ければ更に嫌悪混じりの表情を向けられた。
つくづく嫌われている。それ含めて楽しめる集団ではあるから気にするほどではない。
「いや……呼んだけど断られたんだよね。探し人がいるとかなんとかで。本当になんで居るの?」
「キミの返信がちょっと引っ掛かったから、近くまで来てみたのさ◇ おかげで探し人も見つけたし、感謝してるよ◆」
「感謝とかいらないから……ていうか、やっぱお前の探し人ってソフィアなんだ」
「正解◇」
彼なら気になっても気にならなくてもボクの探し人を聞いてくるだろうと思ったのに、やけにあっさりと会話を切った。
そのことに引っ掛かりを覚えて近くまで来てみれば、ソフィアの精孔を開いたときに微かに感じた深く濃密なオーラの気配がしたのだ。
「アンタがわざわざ探すなんて、あの子のこと余程気に入ってるんだね」
「おや、ヤキモチかい? 可愛いなぁ◆」
「違う。死ね」
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ユウ - 一気読みさせてもらいました。応援してます。ヒソカ落ち希望です! (9月18日 1時) (レス) id: 9180eb740d (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 更新待ってます!!続きがとても気になります!!イルミ落ちがいいです! (2022年6月6日 0時) (レス) @page32 id: b76b8db090 (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - 作品読ませていただきました!!とても面白くてこのシリーズ大好きです!もし、この作品がまだ更新されるのであれば、気長に待ってます!頑張ってください!! (2021年1月30日 18時) (レス) id: f151b0ddd6 (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - 初めて作品を読ませていただきました!私はこのシリーズがとても大好きになりました!もし、作者様がこの作品を覚えているのであれば更新されるのを楽しみに待っています! (2021年1月1日 21時) (レス) id: 5e84d40654 (このIDを非表示/違反報告)
maki(プロフ) - このシリーズ大好きです!更新待ってます! (2020年3月24日 18時) (レス) id: 94544c805e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クロ | 作成日時:2019年9月4日 4時