秘密の存在４【H×H】 (ページ26)

今日:2 hit、昨日:10 hit、合計:69,887 hit

１４６、親睦は意図せず深まりページ26

「お前たちはいつまでそこにいる気だ？」

それはどういう意味かを問う前に背後で扉が開いた。振り返れば、シャルナークを先頭にフィンクス、マチ、パクノダと並んでいた。

「あはは、やっぱりバレてた。団長には敵わないなあ」

「だから言ったじゃねえか、こそこそ聞くより普通に見る方が良いってよ」

「くそー今度こそはバレないと思ったんだけどなぁ」

クロロが声を出し、彼らが扉を開くまで完全に気配がなかったのにどうして彼はわかったのかしら。円……ではない。室内のみに留めていたのを見ていたから。

眉を下げて笑うシャルナークとほれ見ろと笑うフィンクス、その背後でくすくすと笑っていたパクノダと呆れたようにため息をついているマチにクロロが目を向けた。

「お前たちも盗み聞きか、珍しいな」

「いいえ、私はウボォー達が帰ってきたから呼びに来ただけです」

「もうそんな時間か。わかった、部屋を片付けたらすぐに行く」

シャルナークがすっかりお腹ぺこぺこだよ、と言ってるのを聞くにご飯の時間らしい。そういえば後で食べ物を調達してくると言っていたような。
私は先に部屋を出ていく彼らの後を追わず、折れたボールペンを拾ってゴミ箱に捨てているクロロの所へ向かう。

「ね、彼らは完璧な絶だったわよね？」

「ああ、そうだな」

「どうして扉の前にいるってわかったの？」

「お前が来たと同時に仲間の気配が拠点の中で消えれば気にはかける。俺が練をしたときにすぐ近くで気配が揺らいだしな」

成る程、オーラに頼らず気配を読んだりオーラの動きを感じたりするのも重要らしい。

＊＊＊

パン、肉、お酒、ジュース、おつまみ。それと果物を少々。
椅子代わりの瓦礫に座ってそれぞれが食べる様はなんというか、やはり盗賊と形容するに相応しいと思う。
普段は外で食べるらしいのだけど、私が進んで悪を働くとは思えなかったらしくとってくることにしたらしい。

予想はしていたけれど、やっぱり盗むのね。確かに進んでやらないけれど。

「そういやお前、何の系統なんだ？強化系っぽいけどよ」

もごもごと肉を頬張ったフィンクスが目を向けてくる。答えようと口の中にあったパンを飲み込む。

「全系統に適正があるのよ。こういうと──」

「ぶっは！お前まじか！」

「……驚かれるのだけど」

ノブナガが咳き込んで口の中の物を吐き出してしまい、シャルナークがうわ、と悲鳴を上げた。
うん、やっぱり驚かれた。