秘密の存在４【H×H】 (ページ24)

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１４４、本当に奥が深いページ24

以前から少し思っていたけどなんていうか、他の人はヒソカに抱いている印象が私のものとほぼ真逆なようだ。
見目の奇抜さはあれど優しいし、ちゃんと真面目なところもあるのに。

クロロが懐から何かを取り出したのを見て、思考を切り替える。手元にあるそれは二本のボールペンだ。
彼はその片方にだけオーラを纏わせると私に見せつけた。

「さて、次は”周”。物体にオーラを纏わせる技だ。オーラを纏った物体は人間の体と同じように強化され、硬度が増す」

こんな風にな、と呟くとクロロは部屋の壁に歩み寄ってそのままボールペンを突き立てた。
片方の手にあったボールペンは折れて、もう片方の手にあったボールペンは折れることなく壁に刺さる。

「折れてしまっているけど、大丈夫なの？」

「インクを切らしている方を折ったから問題ない」

そういう問題……なのだろうか。まあ持ち主が大丈夫ならいいのだろう、きっと。
クロロは無事な方のボールペンを懐にしまうと、次に身体中にオーラを一定量巡らせ始めた。

「これは”流”。お前がフェイタンとの戦いでやって見せたように、オーラを流動させる技だな。相手との戦闘において、如何にスムーズに流を出来るかで勝敗を分ける要因の二つ目となる」

あの時はなんとなくフェイタンに合わせて動かしただけだったけど、今ならあれをしなければフェイタンを気絶させられなかった理由がよくわかる。

「攻防力で勝れば相手の攻撃を無効化させたり、通常以上の威力が出るから？」

「その通り。頭の回転も早いな、物分かりの良い女は嫌いじゃないぞ」

嬉しそうに目を細めるクロロは、まるで猫にするように私の頭を撫でた。丁寧に手の部分だけオーラを少なくして、私の体に影響がでないようにしている。
彼はするりと髪を弄んだ後、何事もなかったかのように「次だ」と言った。手を離し、見えるようにして目の高さに持ち上げると手のみにオーラが集まる。

凝だと思ったけれど、違う。手以外の他の部位にオーラがない。

「”硬”。ある部位に完全にオーラを集め、留める技だ。基礎の全てを同時に行う」

「だから凝の説明の時、完全にではないが、って言ってたのね」

「そういうことだな。この技も勿論物体に行うことが出来る。見ての通りオーラを集めた箇所以外は絶になっているから確実に当てられる時でなければ致命的なミスに繋がることもある」

念は奥が深いとヒソカが以前言っていた。今それをひしひしと実感している。