１２７、好奇心と興味 ページ7
旅団の中でもあまり戦闘向きでないとはいえシャルの攻撃を避けるとは、やはりただの女ではないということだろう。
外見の類いまれなる美しさもあるが身体能力も高く、謎めいていて興味が尽きない。
「あ、そういや最初見つけたときは瞳孔の形が違ってたんだよ」
「合流したときは普通の目のようだったが？」
「寝たら戻るみたい。俺の見立てでは念能力を発動するとなるみたいなんだよね、腕に針刺さってたんだけど抜いたら傷がすぐ治ってったんだよ」
起きている間もなる。寝たら戻るということは、任意で発動出来る力なのだろう。
傷の治りが早いことも目に関係しているのだろうか。シャルが念能力だと思ったからにはオーラの動きがあったのだろうが。
「念能力ではないぞ」
「そりゃ目の方はそうだろうけどさ〜。あれってなんだろうね？ 緋の目みたいなやつなのかな」
「可能性はあるが、あれほど綺麗な色の瞳で情報が出回らないのはおかしい」
「だよねぇ」
広間に足を踏み入れれば、団員たちは部屋に戻っていなかった。その中にマチとパクノダの姿もあり、ちょうど良いと声をかける。
「マチ」
「なんだい」
「あいつの服を調達してきてくれ」
今着てる服は普段着として実用的じゃないし、街中では目立つ。その上明日戦闘で使い物にならなくなるだろう。
マチは嫌そうな顔をしたものの、諦めたように溜め息をついた。
「本当に側に置く気かい、全く。いいよ、サイズ調べてから行くから明日ね」
「頼む。それとパクノダ」
「何でしょう」
「お前の能力を明かしてもいいな」
「あら、見なくても良いんですか？」
「少し確かめたいことがあってな」
記憶を読み取れる。そう言った時、あれはどんな反応を見せるだろうか。
平然とするだろうか。警戒するだろうか。大したものではないと過去を語るだろうか。
あれの全てに興味があるが、特に惹かれるのは底知れぬ力。瞳のことも、念能力についても余すことなく知り尽くして価値を計りたい。
「脅しより直接聞けば早いね」
思考を巡らせる俺の耳に、フェイタンの呟きが入ってくる。聞くというのは勿論拷問でだろう。
確かにそうした方が聞き出しやすくはあるが。
「使い物にならなくなったらどうする」
「売ればいいよ。あの見た目脱け殻でもきと高いね」
「ヒソカが知って手がつけられなくなったらどうする気だ」
「知られなきゃいいね」
「……お前が明日手合わせで勝てば検討しよう」
「ワタシ負けないよ」
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作者名：クロ | 作成日時：2019年6月1日 15時
