秘密の存在４【H×H】 (ページ16)

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１３６、どうするべきかページ16

「すまねぇな、あいつはあーなると聞かねえから」

「ま、しょうがねえさ。フェイタンの言うことも尤もだ」

拠点までの帰り道、フィンクスがぽつりと言った。背後にいたノブナガがそれに反応する。
確かに、私は彼らの仲間ではない。だからいずれ敵になるかもしれない相手に塩を送るような真似をしたくはないのだろう。

「浅慮だったわね……クロロとの約束も変えた方が良いかしら」

「いや、変えなくていい。俺はお前がどこまでの才能を持っているか興味があるからな」

「団長はこれだからなー」

だからフェイタンがああやって拗ねるんだよ、と言うシャルナークの言葉にパクノダが笑った。
その光景はとても平和だ。だからこそ、彼らがいずれ敵となるかもしれないという事実に胸が軋む。

彼らと私は似通っている部分がある。
仲間と認識した相手とそれ以外に対しての認識が天と地ほどの差があること。私はクロロに客人扱いをされているからまだ接してくれているけれど、これが見知らぬ他人なら彼らは容赦なく殺せるだろう。
彼らは幻影旅団を中心に考え、私は私の意思を中心に考えている。根本では変わらない。

あのネテロの教育があったからこそ他人を進んで害そうとは思わないだけで、自分が害されるならその時はためらいなく殺すだけの冷酷さは私にもあるのだ。

(だから少しだけ、共感できてしまうのよね)

彼らはクラピカの復讐対象で、クラピカは私の友人だ。けれど私は彼らの友人でもなければ敵でもない。
でも。友人でないからといって、言葉を交わし、知ってしまった人を殺めることに協力できるだろうか。

(駄目ね、良くない)

考えても答えの出ないことだ。どちらかに荷担することを前提にしてもそれは自分の望む答えじゃない。
もしその時に遭遇したなら、私は私の意思で動けばいい──

「なーに難しい顔して考えてんだ、そんな服なんかマチに言えば縫ってくれるぜ」

「服？」

「あ？違うのか」

ウボォーギンは私がドレスを台無しにしてしまったことに落ち込んでいると思ったらしい。
確かにフェイタンとの戦いであちこちが裂けてしまってもう着れないと思っていたけれど。修復はマチに頼んでみるとして、落ち込んでいたわけではない。

「じゃあなんだ、足でも痛てえのか？」

「わっ、」

大きな手に腰を取られ、あっという間にウボォーギンの肩に乗せられる。慌てて彼の頭にしがみつけば、「慌ててしがみつかなくても落っことさねえよ」と笑われた。