【番外編】その頃一方奇術師は ページ43
【no side】
(暇だな◆)
天空闘技場に来てはみたものの、相変わらずヒソカの気に入るような果実は見当たらない。
適当に対戦を入れたはいいが成長の見込みすらない相手に当たり、その命を刈り取ったのは昨日のこと。
(退屈◆)
ソフィアとハンター試験に向かってる時は衣服の用意だったり修行だったりで退屈しなかった。
見ているだけでも面白かったし、素直で可愛いところはどこか危うげでもあって見ていなければという気になった。
そんな彼女は今、ゾルディックの屋敷にいる。
(やっぱり行くの止めれば良かったかな◇)
ソフィアの腕前があれば何があってもイルミから逃げられるのは分かってる。だからイルミが彼女へ抱く想いのままに歪な愛を向けたところで、ヒソカが心配することでもないが。
(それはそれとして気になるよね◇)
携帯を操作し、ソフィアに電話を発信する。
出てくれる確率は半々。イルミの家族と共にいる場合は出られないだろう。
通話が繋がった音が耳元でして、ヒソカが胸に抱いていた淡い期待が喜びへと変わる。
”もしもしヒソカ？”
そしてすぐに、落胆へと変わった。表情までもがスッと消える。
通話口に出たのはイルミだった。一応イルミが出ることも予想していたが当たってほしくはなかった。
「うん……イルミ、ソフィアはどうしたのかな◇」
”ちょっと事情があって、うちの家族が狙っててね。逃がした”
「……どういうことかな◆」
イルミの父親がソフィアを嫁にすることに反対し、しかし一族のことを知っておいて野放しにすることはできず始末しようとしたらしい。
(ソフィアは強いから家に入れようとすると思ったんだけど◇)
ゾルディックとしてはメリットが大きいはずだ。それを覆す程のデメリットが彼女にあるとは考えにくいが。
”家族内指令ということになっててね、今オレと親父で対立中。オレは身動きとれない状況なんだ”
「もしかして、彼女は今身一つでキミの親から逃げてる感じかい？◆」
”うん。といっても今は執事に追わせてるっぽい”
「まずいね◇」
ライセンスも所持金も鞄と一緒に置いているとなると、とてもまずい。
身分を証明するものが何一つなく、所持金もなしでは徒歩以外の移動手段がなくなるのだ。
”キミ暇だよね？ 彼女回収してよ。多分そっち向かってる”
「言われなくても◆」
退屈が終わりを告げたのを感じ取り、ヒソカはゆるりと笑んだ。
彼女を探し出そうと、死神が動き出す。
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クロ(プロフ) - ユウさん» ユウさん、閲覧ありがとうございます！わあああ面白いの言葉を頂けるとは！めっちゃ嬉しいです！ オチはまだアンケート中ですので是非楽しみに待っててください！ (2019年6月1日 7時) (
レス) id: dcc16283b8 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - ヒソカ、イルミ、フェイタンが好きで、ヒソカオチを捜してたどり着きました！面白いです続きを楽しみにしてます。 (2019年6月1日 2時) (レス) id: 0277b1537e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロ | 作成日時：2019年5月18日 18時
