１１４、手伝いの内容は ページ34
青年に聞き返せば、彼は青い瞳をぱちくりとさせた。
「……え、聞き返すとこそこ？ こっちの素性とか聞かないの？」
「私に声をかけた時点で普通の人より少し違うのはわかるもの。悪意もなさそうだし」
「ええ……君の危機感どうなってるの、びっくりなんだけど」
ドン引きといった感じで疑うように見られても、今抱いた正直な見解だからしょうがない。
どこか探るような気配は感じるものの、悪意は感じない。害意も全くなさそうだから、耳を傾けようと思っただけだ。
「ともかく、えっと、手伝ってほしいんだよね。俺、とあるパーティーに招待されてるんだけどさ、そのパーティーがパートナー同伴じゃないといけなくて」
「……それで、私にパートナー役になってほしいってことかしら」
「そうなんだよ！」
明るい笑顔で頷かれる。でもそれって私じゃなくても良いんじゃないかしら……そう伝えると、「折角だからとっても美人な君をパートナー役にしたいんだよね」と返されてしまった。
私にとっては渡りに船な話でもある。けれど、彼についていくには少し状況が悪い。
「申し訳ないけれど──」
「あ、気にしないで。君が追われてることはわかってて声をかけたから」
目を見開く。今まさにそれが理由で断ろうとしていたところだった。
私は狙われている。昼日中の街ならいざ知らず、個室や密室ではどうなるかわからない。戦闘になることだって考えられるし、そうしたら彼を巻き込んでしまう。
「護衛の方は強いようだけれど、貴方が巻き込まれない保証はないのよ？」
見たところオーラが駄々漏れなのからして普通の一般人、巻き込んでしまっては彼を護りきれる自信がない。離れたところにいる彼の護衛らしき人は少しはやるようだけど。
そう思っての発言に、今度は青年が目を見開く番だった。
「……気付いてたんだ？」
「だって突き刺すように見てくるんだもの」
あー、うーと唸って顔を片手で隠し空を仰いだりがっくり項垂れたりと忙しなく動いたのち、うん、と彼は呟いて立ち直ったように手を降ろした。
「あいつはかなり強いから大丈夫。手伝ってくれる？」
「良いけれど、条件があるわ」
「条件？」
何かな、と笑顔のまま呟く青年の瞳が冷静な色を宿した。此方を推し測るような色だ。
そこまで警戒するものではないわよ、と前置きして条件を伝える。
「見ての通り、今は無一文なの。全ての費用を貴方が出して、尚且つ報酬も頂けるならパートナー役になるわ」
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クロ(プロフ) - ユウさん» ユウさん、閲覧ありがとうございます！わあああ面白いの言葉を頂けるとは！めっちゃ嬉しいです！ オチはまだアンケート中ですので是非楽しみに待っててください！ (2019年6月1日 7時) (
レス) id: dcc16283b8 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - ヒソカ、イルミ、フェイタンが好きで、ヒソカオチを捜してたどり着きました！面白いです続きを楽しみにしてます。 (2019年6月1日 2時) (レス) id: 0277b1537e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロ | 作成日時：2019年5月18日 18時
