１１０、暗殺一家と相対 ページ30
背後から投擲される針を、自然を操る力を使って空中で停止させて落とす。獣性の制限がこれで二つ解除されてしまったけれど、支障はない。
「──っっ！」
外に出た瞬間横合いから放たれた殺気に首を反らせば、見たことのない人……恐らくイルミのお祖父さんであるゼノが先程まで首のあった所に腕を伸ばしていた。
しかも反対の手が既に攻撃の形を取っている。足に力を込めて、足首のバネだけで跳んで木の上に避難する。
「その靴でその動きか……手強いのう」
木の上に足をつけた瞬間、今度はゼノの声とは違う方向から拳が飛んでくる。防御するも踏ん張りきれず、幹に背を打ち付けてなお勢いは止まらず、幹が折れると同時に支えを無くした私の体が吹っ飛ぶ。
「……あれを受けて無傷か」
身体強化してなかったら腕も肩も粉砕骨折しそうな力だった。これで相手もまだ纏なのが恐ろしい。
どちらにせよこれはチャンス、距離を詰められる前に絶で気配を絶って──離脱する前に、針が飛んできた。
(三人相手……いや、家自体が相手？ とりあえずイルミの意思が知りたいけど……っ)
針を避けた瞬間にゼノとイルミの父らしき男が突っ込んでくる。
蹴りを避け、拳を避け、手刀を避け、飛んでくる針を避け、避けきれない次の攻撃を離れたところの空間と私のいる空間を入れ換えて瞬間移動することで強引に回避した。
「貴方たちはどなた？ 何故私に殺気を向けてくるのかしら」
「儂はゼノ・ゾルディックと言う。お主は、屋敷の地下におるもんを知ってるか？」
「……ええ、知ってるわよ」
イルミの目が見開いた。二人の殺気が膨れ上がる。
「お前さんは危険だ。家のことや一族の秘密を知った以上、生かしてはおれぬよ」
「身勝手なのね。嫁候補にすると私を連れてきたのはそっちなのに」
私がそう言うと、ゼノがすっと目を細めた。
「はて。嫁になる気がないのについてきたそうだがの？」
「……それを知ってるなら、私が此処に来た本当の理由もイルミから聞いてるわよね」
「本心である確証は持っとらんがな」
今度はこちらが目を細める番だった。何を言っても無駄な気がしてくる。
イルミに目を向ければ、涙はもう止まったようで完全に無表情のイルミと視線が合う。
「イルミは自分の意思で私を殺すべきと判断してるの？」
「イルミも了承した、これは家の総意だ」
「貴方に聞いてないわ」
口を挟んだ男に視線ごと殺気を向ける。私の怒りに呼応して、オーラが揺れた。
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クロ(プロフ) - ユウさん» ユウさん、閲覧ありがとうございます！わあああ面白いの言葉を頂けるとは！めっちゃ嬉しいです！ オチはまだアンケート中ですので是非楽しみに待っててください！ (2019年6月1日 7時) (
レス) id: dcc16283b8 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - ヒソカ、イルミ、フェイタンが好きで、ヒソカオチを捜してたどり着きました！面白いです続きを楽しみにしてます。 (2019年6月1日 2時) (レス) id: 0277b1537e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロ | 作成日時：2019年5月18日 18時
