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98、彼女は嫁に足るか ページ18

【イルミ side】

「それで、どうなのイルミ」


母さんが端的に問いかける。主語は入ってないけれど、問いかけの内容はわかる。
ソフィアがゾルディックに嫁入りするに足る器かどうか、だろう。

是と答えれば、母さんは何がなんでもソフィアを嫁にしたがる。否と答えれば、母さんはソフィアが相応しいレベルになるように教育した上で嫁にする。
母さんがあれだけ気に入った時点で嫁に迎える意思は固まってるからどっちで答えても変わらない。


「性格面は暗殺者には向いてないかもね。でも、それを補って余りある才能がある。知り合った相手にはとことん甘いけど、全くの他人なら殺せるくらいの非情さもある」

「まぁ……それはつまり、”嫁にするにはちょうどいい”ということかしら?」


ゴーグルがキュインと音を立てる。嬉しさを隠しきれていない声音に、余程気に入ったんだなと少しだけ驚く。

当然と言えば当然。母さんは昔から娘が欲しいと言ってるし、美しいものも好きだ。
あまり芸術とかに興味がないオレでもソフィアのことは綺麗だと思うのだから、母さんから見れば彼女はとても美しく見えるのだろう。
そんなソフィアが嫁に来てくれるのだから、反対などしないだろう。オレの嫁にするから、性格面もあまり重視しなくていいし。力量は言わずもがな。


「うん。そうじゃなくても嫁にするけどね。だから母さんはあまり手出ししないで」

「あらあら、あのイルミがそんなことを言うなんて……。わかりました、私は二人を見守ることに致します」

「ありがと母さん。ゴトー、夕食までに食器買って。毒仕込まないやつね」

「畏まりました」


オレと母さんが歩いてくるのを見て、通路の端で頭を垂れたゴトーに命令する。
内容が内容だからか、母さんから視線を感じた。


「ソフィアさんは毒に慣れてないのかしら?」

「うん、だから彼女の夕食はオレが作るよ」

「イルミ……それほどまでにソフィアさんのことを想ってるのね……」


どちらかというと、ソフィアの回復力や能力がバレてキルの嫁にされるのが嫌なだけなんだけど……というのは、黙っておく。
我が家の食事は、基本的に致死量を大きく越えた毒が入ってる。それをソフィアが食べたら、確実に死に至る。それだけは避けたい。

母さんと別れて、来た道を戻る。
ソフィアがカルトと二人きりだと思うとなんとなく不愉快で、足取りを少し早めた。

99、天敵再来の予感→←97、貴方と仲良く



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設定タグ:HUNTER×HUNTER , 最強 , 夢主愛され   
作品ジャンル:恋愛
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クロ(プロフ) - ユウさん» ユウさん、閲覧ありがとうございます!わあああ面白いの言葉を頂けるとは!めっちゃ嬉しいです! オチはまだアンケート中ですので是非楽しみに待っててください! (2019年6月1日 7時) (レス) id: dcc16283b8 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - ヒソカ、イルミ、フェイタンが好きで、ヒソカオチを捜してたどり着きました!面白いです続きを楽しみにしてます。 (2019年6月1日 2時) (レス) id: 0277b1537e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クロ | 作成日時:2019年5月18日 18時

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