９７、貴方と仲良く ページ17
「やだ」
「何故！？」
まさかの即答である。思わず大きな声をあげてしまって、煩いと言わんばかりに睨まれる。
「仕方ない。カルトが嫌なら諦めるわ」
「僕、名前呼んでいいって言ってないけど」
確かに言われていない。けど、そう言われてしまうと悲しい。
「貴方は意地悪ね」
「家族になる気がない人と馴れ合いたくないから」
ぷいっとそっぽを向くカルト。言っていることは確かに筋が通っている。
彼の兄であるイルミが私と仲良くしてくれているのは、遺伝する私の力に嫁候補としての価値を見出だしているからだと思うし、価値がなければ家に招くことすらしなかっただろう。
カルトの言い分は理解できる。でも、それはそれとして。
「無理にとは言わないけれど、私は貴方とも仲良くしたいなって思ってるわよ？」
「……なん、で？」
「うーん。貴方の凄いところも知ったし、お話もしてくれるし、ちゃんと教えてくれて嬉しかったから。もっと仲良くできたら、それはもっともっと嬉しいことだと思うのよ」
折角知り合えたのだから、知り合いのままで終わるのは勿体ない。
イルミの弟でもあるし、何よりこれから少しの間お世話になるのに、仲良くしないなんて選択肢は私にはないのだ。
カルトはしばし目を見開いて私を見つめる。いつまで経っても何も言われないので首を傾げてみれば、彼は白い頬を薄く赤らめさせた。
すぐに目をそらしてあちこち視線をさ迷わせ、それからまた私と目を合わせる。
「なんで嫁になる気がないのにここに来たの」
「イルミに誘われたのと、キルアに会いに来たのよ」
「キル兄さんに？ 兄さんのこと、なんで知ってるの」
頬は少し赤いけど、探るような色が瞳に浮かんだ。本当に警戒心が強くて、用心深い。
暗殺一家だからしょうがないのかもしれない。
とはいえ用心深いのは良いことだ。複雑怪奇な縁の上に成り立っている人の世ならば特に。
「ハンター試験で知り合ったの。ちょっと色々あって、彼がイルミの弟だということを知ったのよ。会いに来た理由は少し事情があるのだけど、元気な姿を見せたいだけ」
「ふーん。でもキル兄さんなら今は独房に入ってるから会えないよ。反省中だから」
独房。大分昔にネテロに放り込まれた記憶がある。
思い出してしかめっ面になる私をどう受け取ったのか、慌ててカルトが訂正した。
「兄さんはその気があれば抜け出せるから大丈夫」
つまり、自らの意思で入ってるらしい。一安心なような。
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クロ(プロフ) - ユウさん» ユウさん、閲覧ありがとうございます！わあああ面白いの言葉を頂けるとは！めっちゃ嬉しいです！ オチはまだアンケート中ですので是非楽しみに待っててください！ (2019年6月1日 7時) (
レス) id: dcc16283b8 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - ヒソカ、イルミ、フェイタンが好きで、ヒソカオチを捜してたどり着きました！面白いです続きを楽しみにしてます。 (2019年6月1日 2時) (レス) id: 0277b1537e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロ | 作成日時：2019年5月18日 18時
