９１、門の前で ページ11
【ソフィア side】
飛行船で飛ぶこと三日半、もうすぐ到着するということで私は窓辺に寄った。
山頂が雲に包まれた山が眼前に迫っており、周辺を覗けば広大な樹海が広がっている。
「あれがククルーマウンテンだよ。あの山と周りの樹海全部うちの敷地」
「随分と広いのね。それで、手前の大きな壁に試しの門があるの？」
「そ。壁じゃなくて塀だけどね。おいで、そろそろ降りるよ」
試しの門を開かなければ部外者は敷地内に入れない。だから開けるために門を過ぎる前に飛行船から飛び降りる。
搭乗口を開いてもらって見下ろせば、決して低くない高さにいることがわかる。
「イルミも降りるの？」
「当たり前でしょ、オレと一緒にいないと執事に話通るまで本邸までの道は執事が遮るだろうし」
「飛行船って着陸する時も自動操縦で大丈夫なの？」
こくんと頷かれた。どうやら大丈夫らしい。
塀の近くまでやってきて、試しの門の装飾までもが見える程に近付く。
(そろそろ降りれば良いのかしら)
ちらっと視線で問いかけようとする前に、横から腕を取られる。
驚いて声をあげる暇もなく横抱きにされて浮遊感に襲われる。イルミの頭の向こうで今まで乗っていた飛行船がどんどん小さくなっていく。
「はい、到着。降りて良いよ」
「ありがとう。けど、私一人でも降りれたわよ……？」
「こっちのが早いし安全でしょ」
そもそも高々所から何もなしに落下すること自体安全の定義を疑うのだが、生憎ここにそれを指摘出来る人物はいない。
否、いるにはいるのだが放心中だ。
「ソフィア！」
放心から早くも回復したのはゴンだった。ゴンの声に振り返れば、そこには別れの挨拶をすることができないでいたクラピカやレオリオもいた。
もう会えないと思っていたから、早い再会に目を開く。なんて声をかけたらいいのかわからないまま戸惑っていると、ゴンが半ばイルミを警戒しながら話しかけてくれた。
「怪我はもう大丈夫なの？」
「ええ、すっかり。ゴンは腕、大丈夫？」
「うん！」
明るい満面の笑みに、ほっと安心する。ゴンの笑顔は悪意が見えないから、余計な力が抜けるのだ。
イルミが私の隣に立ったことでそれもすぐに警戒に戻っちゃったけど。
「本当に来たんだね」
「……キルアを絶対連れ戻すって言ったからね」
「ふーん。好きにしたらいいよ。ソフィア、門開けて」
行くよ、と腕を引かれる。歩き出して数歩もしないうちに、三人の声が私を引き留めた。
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クロ(プロフ) - ユウさん» ユウさん、閲覧ありがとうございます！わあああ面白いの言葉を頂けるとは！めっちゃ嬉しいです！ オチはまだアンケート中ですので是非楽しみに待っててください！ (2019年6月1日 7時) (
レス) id: dcc16283b8 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - ヒソカ、イルミ、フェイタンが好きで、ヒソカオチを捜してたどり着きました！面白いです続きを楽しみにしてます。 (2019年6月1日 2時) (レス) id: 0277b1537e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロ | 作成日時：2019年5月18日 18時
