１０７、疑惑は植え付けられて ページ27
【イルミ side】
歩いて少しもしない内に、屋敷の中の空気がおかしいと感じた。それに、見られている。夕食時の行動が親父に知られたかな、とぼんやり思うが、だとしてもこの張り詰めたような空気はおかしい。
軽くノックをすれば入室を許可する親父の声が聞こえる。扉を開けば、親父が正面、爺ちゃんと母さんが対面になるようにして両脇の椅子に座っていた。母さんの隣にはミルキが座っている。
はっきり言って、異常な光景だ。ミルキはともかく、母さんや爺ちゃんが揃って親父といる場面は中々ない。
「おかえり。爺ちゃんも親父も仕事お疲れ、なんかあった？」
「イルミ、嫁候補を連れて帰ったそうだな」
「──うん、それがどうかしたの？」
親父の声は普段通りだけど、読めない重々しさがあった。間髪入れずに問われて、耳に入ってから理解するまでに空白が生じる。
「ナニカがお前の連れてきた女に反応を示した」
「は……？」
これを見ろ。そう言われて視線を向けた先に設置してある、大きな画面に映像が流れる。
アルカがカメラに向かって語りかけてきている映像だ。それだけなら幾度も見たことがある。けれどアイツが話す内容は今まで聞いたことがないもので。
すぐに察した。今オレは反応をくまなく観察されている。
「イルミ。お前の連れてきた女は危険だ、家には入れられん。かといってオレ達のことを知られた以上野放しにもできん」
「ナニカが反応したことについては気になるけど、そこまで危険じゃないと思う。ソフィアは話通じるし」
本当に危険じゃないかと問われれば少し悩むけれど、少なくともナニカよりは危険じゃない。生まれつきの能力も自己回復に特化したもののようだし、念能力だって他人を治癒するものしかないと聞いた。
「オレはあの女がナニカと同じところから来たものではないかと睨んでいる」
「まさか。試験の大半そばにいたけど変な動きは一切なかったよ」
「……やけに庇うな？」
「庇ってないよ、事実だし」
親父の視線が少し鋭くなった。嫌な予感がする。
「お前、奴に魅入られてないか？」
「……、」
ない、とは言い切れなかった。自分の行動や思考が闇人形らしくないものだとは理解していたから。
ソフィアに魅入られたからこうなった？魅入った相手に悪感情を持たせない力？
だとしたら、今のオレは惑わされていることになる。わからない。いつからこうなったのか。
初めて見たときから？接触してなかったのに？
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クロ(プロフ) - ユウさん» ユウさん、閲覧ありがとうございます！わあああ面白いの言葉を頂けるとは！めっちゃ嬉しいです！ オチはまだアンケート中ですので是非楽しみに待っててください！ (2019年6月1日 7時) (
レス) id: dcc16283b8 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - ヒソカ、イルミ、フェイタンが好きで、ヒソカオチを捜してたどり着きました！面白いです続きを楽しみにしてます。 (2019年6月1日 2時) (レス) id: 0277b1537e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロ | 作成日時：2019年5月18日 18時
