秘密の存在２【H×H】 (ページ7)

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４６、身代わりの道ページ7

【ソフィア side】

タワーを72時間以内に降りること。それが三次試験の課題だ。
内部を行くか、外を降りるか。

私の獣性を使えば、怪鳥に邪魔されることなく降りることも出来るだろう。
とはいえ、あれは目を隠さなくちゃいけなくなるし。これ以上注目されるのも面倒だから、ちゃんとタワーを攻略する方が良い。

そう思って、正規の道らしき隠し扉を降りた先には。

「なんだキミか。驚かさないでよ、殺すとこだった」

突如針を投げてきたギタラクル……もとい、針を抜いて元の姿に戻ったイルミがいた。

「いや、私じゃなかったらどちらにせよ死んでたわよ……」

眉間、首、心臓、それぞれに的確に針を投げてきていた。ちゃんと全部キャッチしたけれど、着地のタイミングで当たるように投げるとか凶悪すぎる。

「死ななかったから良かったよ。そしたら失格になっちゃうみたいだからさ」

「じゃあ尚更なんで投げてきたのよ……はい、針」

「ありがと。やっぱ嫁においでよ、大切にする」

「保留って言ったでしょう」

なんで？というイルミの声を無視して、壁に貼られた紙を読む。

”身代わりの道

どちらかがどちらかの身代わりとならねばならない。
身代わりを選んだ者は、コップの中身を飲みたまえ”

紙の下には台座があり、そこにはかなり怪しい液体の入ったコップと色違いの腕時計が二つがあった。
液体の匂いはない。持ち上げて確認しようとしたとき、スピーカーから声がした。

『諸君。私は三次試験の試験官にして、刑務所所長のリッポーだ。
お前たちが選んだのは身代わりの道だ。その紙に書いてある通り、どちらかがどちらかの身代わりとならなければ進めない』

「腕時計の色で身代わりを決めるの？」

『そうだ。青い腕時計が身代わりをしてもらう方、赤い腕時計が身代わりになる方となる。
一度つければ試験終了まで外せないから、注意したまえ。身代わりの者が死んでも、青い腕時計の者は失格にはならない。
それでは諸君、健闘を祈る！』

スピーカーから声がしなくなって、部屋に静寂が訪れる。それと同時に、私は赤の腕時計をはめた。

「……なんで赤い方をはめたの？」

「毒だったら困るでしょう？」

「オレは毒は効かない、だから問題ないよ。そこまで貧弱じゃないしね」

「どっちにしろ、もうはめちゃったもの」

ヒラヒラと手を振ってみせれば、溜め息をつかれてしまった。