秘密の存在２【H×H】 (ページ27)

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６６、小細工なしでページ27

集合場所近くの開けた場所でヒソカが止まる。合わせて止まれば、背後をついてきていたハンゾーがキルアに声をかけた。
直後に二人の気配が遠ざかっていった。私と戦った経験があるハンゾーが離れて見るように言ったのだろう。

「ここでいいかな？◇」

「構わないわ」

「”小細工”はなし、武器はありだ。殺す気でおいで◆ 始めようか◇」

小細工……念だろう。良かった、念もありだったら確実に苦戦していた。
それにしても、殺す気で来い、か。

「来ないならこっちから行くよ◇」

声と共に、ヒソカが踏み込んで走る──早い！
ハンゾーも早いが、それを上回る早さだ。先に加減を覚えてなければ、対応しきれない早さ。

(でも、今なら速度を合わせつつ対応できる！)

ヒソカの拳を上半身の動きだけで避け、胴狙いの蹴りを跳躍してかわす。素早く投げられたトランプを全て叩き落とし、地面に着地しようとするとストレートの拳が向かってくる。

まだ足がついてない、踏ん張れない！

「……っ、！」

重い、重い拳がクロスした腕に当たり、浮いていた体が吹っ飛ぶ。宙で体勢を建て直しながらヒソカの次の動きを見る。

(居ない……！？後ろ！)

足が地についた瞬間嫌な予感を感じ取り、背後から繰り出された掌打をしゃがんで避ける。
そのまま腕を掴んで背負い投げの動作をとるが、投げる直前に跳躍されて逃れられた。

(なら、ヒソカと同じことをすればいい！)

大きく踏み込み、宙で楽しげに目を細めるヒソカの眼前に迫る。拳を構えれば片腕でガードの構えをとって、受け止める気だ。

(甘いわよ！)

すかさず構えていない方の手で掌打を素早くヒソカの腹に入れる。反動で吹っ飛びかけるヒソカの腕を掴んで止め、そのまま着地すると今度こそ片腕だけでぶん投げる。
投げられて宙をすっ飛んでいくヒソカが投げたトランプをキャッチして、ヒソカが体勢を整える隙を作らないように投げ返す。

しかし、投げるまでの一瞬でヒソカは木の幹に足をつける体勢になり、太い幹がへこむ程の力を足に加えてトランプを避けた。……その先に、

「っ◆」

「見えなかったでしょう？」

その先に、ヒソカの首目掛けて手刀を落とそうとする私がいることも知らずに。
ヒソカは腕でガードし、地に足を付けて跳躍し距離をとる。舌を唇に這わせて、恍惚とした表情を見せながら強くねばつく殺気を放つ彼に対し、私もまた楽しくて笑みを浮かべた。

「もっと速くしましょうか。出来るわよね？」